パリのおうちごはんはほとんどミニマリスト。
フランスではパリに25日、アルザス地方に5日滞在していました。
今回はAirbnb以外に一般家庭のホストのお宅にも泊まらせてもらい、しっかり食卓も囲ませていただきました。
具体的には朝、夕、たまに昼もごちそうになったわけですが、結論から言います。
日本のごはん、時間かけすぎ、手間かけすぎ、あったかいもの至上主義すぎっ。
今回、10家庭の食卓をみてきたが、おかずが3品以上あるときは本当に稀で、特に朝はものすごいシンプル。いや、日本なら手抜きと言われても仕方ないくらい粗食。
しかし、だ。そもそも日本のごはん、毎食ちゃんとある程度できたてで(もしくはチンして)、湯気が立ってて、栄養バランスも考えた食事をつくらなくちゃいけないって、誰が決めたんだっけ。マジ一汁三菜って言いだしたやつ、表でろよ!
家庭料理研究家の土井善晴さんがやっと「一汁一菜」でいいって言いだしてくれて、そうだよな、三菜は多すぎだよな、という空気が多少は広がってる昨今。
土井さんはごはん炊いてみそ汁つくるだけでもいいって言ってくれてるけど、でもさ、それでもやはり大変だと思う。
お米をイチから炊くとしたらそれが炊飯器であってもそれなりに手間。炊飯器の釜が汚れているかもしれないし、米を研ぐ作業もこれからの季節は地味にツラい。
汁は中身の具を切ったり煮たりの作業が必須。
そして、土井さんがそれだけでもいいとは言っても、やはりもう1品ほしくなってしまう人が多いのではないか。
+αが納豆や漬物だけだと、罪悪感に襲われてしまう人が多いのではないか。
パン食ならパン食で、自然と卵を焼いたり、サラダをつくったりしてしまう人が多いのではないか。
朝ごはん
ではここで、私がフランスでお世話になった方々の朝食から、食卓でみたものを発表していきまーす。
・パン
フランスパンか、ライ麦っぽいパン、ごくたまにブリオッシュ。家庭での朝食にクロワッサンは出てこなかった。
適当に切ったのが、無造作に食卓の上のかごの中に入っている。たまに焼いたりもする。乾燥をふせぐ袋なんて、見たことがない。
・バター、ジャム
パンにバターやジャムをつけて食べる。
ちなみにバターはむちゃくちゃうまい。無塩の場合もあるが、なんかクリーミーなんだよね。そしてジャムもうまい。マルシェで買った手作りのラズベリージャム、美味しかったなああ。
・チーズ
だいたい3種類くらいが木のミニまな板みたいのに乗っかったのを冷蔵庫からそのまま出して、ナイフで食べたい分だけ切って食べる。コンテというかたいチーズが食べやすかった。私が気に入ったのは羊の乳からつくられるフェタチーズ。白く、ほろほろしている。羊苦手だと思っていたのに気に入って意外だった。
・紅茶かコーヒー
たっぷりのマグカップで飲む。家庭でカフェオレボウル使っている人は見なかった。
・果物(ない場合も)
かごに入ってる。お好きにどうぞスタイル。間違ってもむいたのが出てはこない。
洋梨、バナナ、小さいリンゴ(酸味がつよい)など。皮をむくときにまな板を使わず、お皿の上の空中で切るようにしていたのが印象的だった。
・ヨーグルト
好きな人多かった。冷蔵庫に大人買いしてる人も。ヤギの乳のヨーグルト、ジャムつけたらいけました。
以上です。
本当に文字通り、朝卵を焼くとかまったくなかった。最後に泊まったホテルにはゆで卵とかき卵があったけど、ほんとに家庭での朝食に、卵はなかった。ベーコンとかハムもなかった。信じてくれ、なかったんだ。
そして皆、朝は大きなテーブルの食卓ではなく、ちゃちゃっとキッチンの横の小さいテーブルとかで食べていた。
ちなみに、お世話になったホストさんたちは、定年を迎えた方が多く、住んでいるところはことごとく、広いし、きれいだし、けっこうおリッチな暮らしをされていた。だからお金がないわけではないと思う。
昼ご飯
フランス語で朝食は「小さな昼食」と呼ばれる。では昼はどーんとしたもの食べるのでしょうか?
回数は少ないですが、お昼はこんな感じでした。
・サラダ
・ソーセージ
・茹で野菜(じゃがいも、かぼちゃなど)
ちなみにこれは昨夜の残りもの。わざわざイチからつくったものはサラダくらいでした。
そして昼からデザート。市販のチョコプリンみたいの。
夜ご飯
では夜ごはん、行きます。具体的なメニューから行きますね。複数の家庭でごちそうになったものです。
・煮たリンゴ(ほんの少しお砂糖を入れたもの)
・黒ソーセージ
・骨付き鶏肉をオーブンで焼いたの
・スイートポテト(かぼちゃっぽい感じ)をオーブンで焼いたの
・サラダ(ルッコラ、レタス、ラディッシュ)
・なすとひきにくを交互に並べてオーブンで焼いたの
・サラダ(ルッコラ、レタスなどのグリーンサラダ)
・なすとかぼちゃを交互に並べてオーブンで焼いたもの
・サラダ
気がつきますか?
メインはだいたいオーブンのお世話になる料理であることを。
そしてすべてにパンがつき、食事がある程度一段落つくとチーズタイムになる。
チーズの存在感ありすぎ。納豆がこの扱いをされたら、いたたまれなくて食卓から逃げ出すのではないでしょうか?
食べて特に美味しかったもの
アルザス地方では、シュークルートというドイツっぽい名物料理があり、それをごちそうになりました。ザワークラウトとソーセージとジャガイモ。シンプルに美味しかったです。
「あなたたちが来てくれたから手の込んだお料理できてうれしいわ」って、手間のかかるスフレを作ってくれたホストもいました。おいしかったな。めちゃくちゃ卵白とバター使う料理で、ごちそうになったのは甘くないやつです。
珍しいごはん
他に珍しいところだとこんなメニューも。
・にんじんとじゃがいもを炒めたの
・クスクスみたいなトウモロコシの粉を茹でたものをココナッツミルクで味つけしたもの(主食)
・ひとり1つ小さいフライパンみたいなものを持ち、それにチーズを乗せ、鉄製のホットプレートとホットプレートの間にそのミニフライパンを入れてチーズを溶かし、それを茹で野菜や肉にかける。チーズフォンデュみたいな感じ??
気候は涼しく、時に寒く感じることもありましたが、あたたかいスープ、とかはなかったですね。「ヨーロッパのごはんはまずあたたかいスープ」とか幻想でした。
パリで日本のごはん
ちなみに一度、私があるものと日本食料品店に行って買い物してきて作ったメニューはこんな感じ。
ニンジンとあぶらげの炊き込みごはん
あぶらげと小松菜の味噌汁
小松菜の炒め物
キュウリの梅和え
オニオンスライスゆず醤油とカツオブシかけ
ブロッコリの塩ゆで
めちゃくちゃ作っとるやないけ・・・!
作りすぎやないけ・・・!!
メインディッシュ的なものはないものの、まんま一汁三菜やないけ・・・!!!
まあ美味しいって言われてよかったけど。
ところでパンについて余談。
フランス人は本当にダリのようにバゲットを小脇に抱えながら道を歩く。そんな人を何人もみました。バゲットは、長距離バスのパーキングエリアの売店にも売っていました。
今度はアジアにも旅してみたいな。特に中国は気になるところ。
ずっと以前に新聞の投書で読んだのですが、「中国では乞食でも冷めたものは食べない」と言って、日本のホストマザーの手作りお弁当をかたくなに拒否し続けてホスト宅を去っていった中国人留学生がいたそうです。
ホストマザーである投稿者は悲しかったでしょうが、私には「では乞食はどうやってあたたかい食事を手に入れるのか」の方が気になり、長く記憶に残ることになりました。
なにせ中国人は粉と肉でギョウザなんて発明しちゃう人たちですからね。メキシコのタコスみたいにこぼれやすい形態でなく、包んで焼く、ですからね。どんだけ食に命かけてるか、見てみたい。
帰国した今、またご飯を自分で作る日々が始まった。とにかく、作りすぎないこと、罪悪感を手放すこと・・・それが目下の挑戦である。