石渡紀美(イシワタキミ)

朗読詩人+スタンダップコメディアン他いろいろやってます。 詩、エッセイ、からだとこころと声に関する考察、本や映画のレビュー、不登校→ホームスクーリング→アンスクーリングの10歳の娘とその暮らしについて書いています。 ポエトリーリーディング、マルシェ、各種イベント企画します。

石渡紀美(イシワタキミ)

朗読詩人+スタンダップコメディアン他いろいろやってます。 詩、エッセイ、からだとこころと声に関する考察、本や映画のレビュー、不登校→ホームスクーリング→アンスクーリングの10歳の娘とその暮らしについて書いています。 ポエトリーリーディング、マルシェ、各種イベント企画します。

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最近の記事

音楽に愛された詩人のこと

タイムラインがお悔やみであふれている。 すごく有名な人だし、もっと彼を好きな人がいっぱいいるから、私が特に書くことはないと思っていたのだけれど、音楽家の武満徹と彼の対談を読んでいたら「言葉はどうしても音楽にはかなわない。僕はきっと、死ぬまで音楽に片思いし続けるのだと思う」というくだりがあり、いやいやこの人ほど音楽に愛された人はいないのではないか、とふと2010年にひらたよーこ+矢野誠が出した『少年』という谷川俊太郎の詩をうたにしたアルバムが聴きたくなって引っぱりだしてきた。

    • パリはいじわる、だけど人はそうでもない、という詩

      シャトレ駅はいじわるだ たくさんのメトロとRERが停まる だけどすぐに乗り換えられると思ったらおおまちがい とにかくやたらと歩かせられる 階段を登ったり、降りたり 動く歩道がある通路はものすごく長い 新宿も渋谷も変わったが とにかく矢印を追えばなんとかなるようにつくられている 日本の駅は親切だ だけどパリでは矢印が突然消えたりする 本当はどこかに書いてあるのかもしれないが、とてもわかりづらい 私はそれで実際に地下道を3回も行ったり来たりした 地下通路に座っていた物乞いが見て

      • フランス人と結婚しているようなもの

        2024年10月まるまるフランスに滞在してきました。10歳の学校行かない娘と一緒に。 滞在中に起きた出来事・思ったことなどをつらつらつらと書いています。 * パリに着いて、数日して気づいた。 煙草の灰が舞うのも構わずにプカプカ歩き煙草ピーポー。 ひとりでカフェに入れば席で電話するマダム。 電車の中でもスピーカーフォンで通話するムッシュー。 車が来なければ信号は無視してひょいひょいと道を渡る。 謝らない。 なんだこいつら、いや、こういうやつ、どっかで見たことあるぞ!!! う

        • 神と死が可視化されるヨーロッパ~路上で、教会で、オペラ座で~

          2024年10月まるまるフランスに滞在してきました。10歳の学校行かない娘と一緒に。 滞在中に起きた出来事・思ったことなどをつらつらつらと書いています。 * フランスで目にするものすべてが大きい、大きくて圧倒されることについては、今までに何度か書きました。 今、日本・埼玉・桶川の中途半端な田舎に帰ってきて、つくづく実感します。 近所を歩いていて、人んちの壁や門や玄関に圧倒されることはほとんどありません。豪邸とかなら少しは感じるかもしれないけど、なんていうか、どの壁もどの門

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        • エッセイ
          24本
        • フランス旅行(主にパリ)
          30本
        • ポエトリー
          94本
        • 不登校→ホームスクーリング→アンスクーリング
          1本
        • 駄日記
          8本
        • 詩の朗読音源
          10本

        記事

          生類憐みの令発動中、ここはパリ。

          2024年10月まるまるフランスは主にパリに滞在してきました。10歳の娘(学校行かない人)と一緒に。フランスでの出来事、思ったことなどをがしがし書いています。 * 突然ですが、イルカのあの表情、あれは別に笑ってるわけじゃあないんですよね。 去年、鹿児島でリアルにイルカのジャンプを見てから、あれが本来の姿なんだよな、水族館のプールじゃ狭いよな、とそれ以来、水族館のイルカショーが楽しめなくなってきました。 アニマルウェルフェアの意識、日本ではまだまだだなーと感じています。 一

          生類憐みの令発動中、ここはパリ。

          パリに住む?~2024年、実存主義の旅~

          2024年の10月まるまるをフランス(主にパリ)で過ごした。 今年の秋はキンモクセイの香りをかかがなかったことになる。 帰国してからそれに気づいた。 東京の東に住む友人は「キンモクセイ2巡目きた」の投稿をインスタにあげていたが、残念ながら、我が家の庭のキンモクセイは今年はもう咲く気はないようだ。 パリの秋はまったく匂いがしなかった。香りのある花が咲かない秋。街角では焼き栗が売られていたが、匂いはなかった。 石畳の上に降り積もる枯れ葉。踏むといい音がした。 滞在中、何度と

          パリに住む?~2024年、実存主義の旅~

          人目を気にしすぎる人はフランスに行ったほうがいいよ

          2024年10月まるまるフランスに滞在してきました。その間の出来事や思ったことなどを書いています。 ホウレンソウという言葉が日本にはある。 フランスにはない。いや、言葉がないのは当たり前だが、そういう概念がたぶん、ない。 今さらながらだが、ホウレンソウとは「報告・連絡・相談」の頭の部分を繋げた言葉で、主に職場やビジネスの現場で使われる言葉。 スムーズな組織運営のために、社会人として必須のスキルと言われる。 ビジネスでなくとも、人となにかを一緒にやる場合、進捗や状況を逐一

          人目を気にしすぎる人はフランスに行ったほうがいいよ

          物欲少なめな人がフランスで買ったもの

          2024年10月まるまるフランスへ行ってまいりました。思ったこと、気づいたことなどをつらつらと書いております。 ちなみに1本目の記事はこちら。 今回は、フランス(ほぼパリ、たまにストラスブール、コルマール)の旅で、私が自分のために買ったものを紹介します。 「パリに行ったら必ずモノプリでエコバッグを買う」とか「Merciのトートバッグをイロチで買う」とか「ボンマルシェでエシレバターを真空パックにしてもらう」とか「レペットでバレエシューズをセミオーダー」とか・・・ もうええ

          物欲少なめな人がフランスで買ったもの

          そんなに自由が好きなのかよ、フランス人。

          フランスに1か月滞在してきました。思ったことをつらつらと書いています。 フランス人の家には壁時計がかかっていない。 そのことに気づいた私は、さっそくホストに聞いてみた。 すると彼女は、時計ならスマホがある、とさも当然とばかりに答えた。 いえ、そうなのだが、インテリアとしての壁時計がなぜないのか、とさらに聞くも、今度は質問の意味がわからないみたいな顔をしている。 一方で、壁には額がたくさん飾ってある。だいたいのおうちに廊下があったのだけど(おーい)、そのさまはまるで美術館。

          そんなに自由が好きなのかよ、フランス人。

          フランス人にも伝われ、MOTTAINAI

          日本語には外国語にない言葉がいくつかある。 「もったいない」もそのひとつと言えるだろう。 何年か前、国際的な地位にある人が「もったいない」に感銘を受けてどっかのスピーチで取り上げていたなー、と思って調べてみたら、この人だった。 2005年に国連でケニアの環境副大臣(ノーベル平和賞受賞者)のマータイさん。環境問題の世界共通語としてMOTTAINAIを広めようとしていたらしいが、残念ながら2024年パリまでは伝わっていないらしい。 ホストと、フランスのレストランで出される料

          フランス人にも伝われ、MOTTAINAI

          パリのおうちごはんはほとんどミニマリスト。

          フランスではパリに25日、アルザス地方に5日滞在していました。 今回はAirbnb以外に一般家庭のホストのお宅にも泊まらせてもらい、しっかり食卓も囲ませていただきました。 具体的には朝、夕、たまに昼もごちそうになったわけですが、結論から言います。 日本のごはん、時間かけすぎ、手間かけすぎ、あったかいもの至上主義すぎっ。 今回、10家庭の食卓をみてきたが、おかずが3品以上あるときは本当に稀で、特に朝はものすごいシンプル。いや、日本なら手抜きと言われても仕方ないくらい粗食。

          パリのおうちごはんはほとんどミニマリスト。

          パリよりテンション上がる久々の日本

          「本日はお客様混雑のため、予定時間より4分ほど遅れて出発しております。本日は出発が遅れましたこと、深くお詫び申し上げます」 久々の日本語の車内アナウンスに脳内に衝撃が走った。 はあー?! 頭おかしいんか、ワレー! 客がワチャワチャして出発時間が遅れたのに、なぜそっちが謝るー?! てか、客のせいで遅れたけどごめんなさいって、慇懃無礼か!!! 成田空港から乗ったスカイライナーの中、いきなりおもしろいな、日本。パリに着いたときよりテンション上がるわ、日本。 ちゃんと開くかな

          パリよりテンション上がる久々の日本

          海外旅行、そんなにビクビクしなさんな。

          フランスはパリに、もうすぐ1か月滞在していることになる。 メトロの1番に乗っていたときに、男の人から話しかけられた。この電車はオペラには行きますか? と聞いているみたい。ウイウイと言ったらメルシーと言われた。 パリ滞在残すところあと2日となった夕方、ついに私も道を聞かれるようになったか、と感慨深い。いや、たまたまわかっただけなんだけど。 旅の途中からスマホのSIMのWi-Fiが使えなくなり、原因を調べたら結局、使える容量を使いきっちゃっただけだった(しいちゃん!!!)。

          海外旅行、そんなにビクビクしなさんな。

          パリで迷子、ガチ編。

          この旅でいちばんやばいことが起きた。 (サムネイルはどこかの国のトイレ用洗剤と同じ名前のメトロの駅) この旅行記ではさんざんフランスはでかいと書いてきたけど、そのでかさ、そして重さを思い知らされたことの一例として、メトロのドアに挟まれた。周りの人に助けられなかったら、どうなっていたことか。 ドアは私を挟んだだけでなく、私としいちゃんを分け隔てた。つまり、私は電車、しいちゃんはホーム。しいちゃんを置いてきてしまったのだー! まわりの人は挟まれた私を助けるために、一度ドアを

          パリで迷子、ガチ編。

          不登校の子どもと海外旅行に行くということ

          今回の旅に出る前、友達から「子どもと一緒に旅行、しかも海外なんて大変そう」と言われていたのだが、実際に来てみるまで、その意味がわからなかった、甘々な私であります。 来てみて、まあそれなりに大変。しいちゃんはほんとにマイペースなので、無理なスケジュールは立てられない。結果、行ける場所にもかぎりが出てきてしまう。ミュージアムパスという〇日間美術館など行き放題、みたいなパスがあって2日券を買ったけど、元は取れなかった。 だけど、彼女(しいちゃん)にはすごく助けられている実感があ

          不登校の子どもと海外旅行に行くということ

          今になって焦って観光をしている本当にただのパリ日記_20241024

          なんだかいろいろ追い込まれている。追い込まれているのだけど、たのしい。 フランスに来て3週間以上が経過。 体調はまだ完全じゃないのだけど、ここに来て、パリを受け入れている自分がいる。たのしい。もう不安もほとんどない。 パリの地理がわかってきたのが大きい。さんざん日本でガイドブックや地図を見てきたつもりだったけど、まったく体に染みこんでいなかった。 今、Les Hallesという繁華街の近くの宿なのだが、このLes Hallesというところ、私はとても好きだなと最初から思っ

          今になって焦って観光をしている本当にただのパリ日記_20241024