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映画『ハウス・オブ・グッチ』をより楽しむための見どころ紹介!
年始から『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』にイーストウッドの新作『クライ・マッチョ』などなど話題作が続いてますが、その中でも目立っているのが『ハウス・オブ・グッチ』です。
誰も知るあの高級ブランド「GUCCI」にまつわる知られざるスキャンダラスな内容で、それを豪華キャストで見事に描いた本作は見どころも多いので、今回取り上げてみたいと思います!
『ハウス・オブ・グッチ』
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2021年 アメリカ 159分
監督:リドリー・スコット 原作:サラ・ゲイ・フォーデン
出演:レディ・ガガ、アダム・ドライバー、アル・パチーノ、ジャレッド・レト、ジェレミー・アイアンズ、サルマ・ハエック、カミーユ・コッタン
<あらすじ>
庶民出のパトリツィア・レッジャーノは、パーティで偶然グッチ家の御曹司マウリツィオと出会い、その知性と美貌で彼を魅了し結婚する。
そしてグッチ家の中枢へと入り込み権力を得ようとするのだが…
いやー、面白かったです。
さすがリドリー・スコットですね。
天国と地獄を見たとある女性の人間ドラマとしても面白いですし、あの有名な高級ブランドの生々しい裏舞台が知れるのと、そしてとんでもないスキャンダラスな内容が事実という衝撃。
他にも見どころが色々とありますのでその辺りを紹介していきます。
スキャンダラスな衝撃の事実
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まずすごいのがこれが事実だというところです。
グッチ一族にこんなスキャンダラスな過去があったなんて知らなかった。
パトリツィアがグッチ家に入ることによって、一族の対立・裏切り・復讐が巻き起こります。そして遂に殺人まで。。
登場人物がみんな実名で出てきますし、よくこんなことできるなと思いますが、これには原作があります。
グッチ一族に起こったこのスキャンダラスな一連の出来事を追った書籍で、この原作の映画化ということで企画が実現したそうです。
この内容でよくグッチ家に許諾が取れたなーと思ってたら、あくまで原作の映画化ということでグッチ家からは猛反発されたんだとか笑
この本を読んだ監督の奥さんの提言で企画が始まったんだとか。
リドリー・スコット監督とは
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本作の監督リドリー・スコットはイギリス出身の映画監督で巨匠です。
有名な作品では、『ブレードランナー』、『エイリアン』、『グラディエイター』など傑作を多数世に送り出しています。
昨年公開した『最後の決闘裁判』も傑作でした。
(個人的にも昨年公開した映画の中でトップクラス!)
作風としては、SF大作や史劇などアクション系が多いイメージですが、恋愛ものやサスペンスなど多彩なジャンルを手がけています。
そして『ゲティ家の身代金』では、大富豪の孫が誘拐されるという金持ち一族のスキャンダルを描いていますし、『テルマ&ルイーズ』や『最後の決闘裁判』でも男性社会に反旗を翻す女性たちを描いていて、その辺りは本作に通じるものがあります。
さらにハイブランドでは、あのシャネルのCMを手がけていました。
美術にもこだわりがあり細部まで美しい画作りをします。
そして、1937年生まれの84歳!という大ベテランです。
おじいちゃんなのに元気でまだ傑作を生み出してくれて嬉しい限りです。
ハリウッドでは他にも、ウディ・アレン(86歳)、クリント・イーストウッド(91歳)とこの辺りはリドリー・スコットより年上なのに毎年のように新作を出していてそのレベルも高くてもうとんでもないことになってます笑(嬉しい)
スコットフリー
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ちなみにですがリドリー・スコットは自身の制作会社を持っていて、自分の監督作品は「スコット・フリー・プロダクション」で制作しています。
映画の冒頭にいろんな映画会社のロゴマークが登場しますが、リドリー・スコット監督の作品ではこのスコットフリーの油絵が動き出すようなアニメーションが流れます。
見たら思い出す方もいるんじゃないでしょうか。
ジャンルイジ・トッカフォンド
そしてこちらもついでなのですが、このスコットフリーの幻想的なアニメーションを手がけたのはイタリアのアーティスト、ジャンルイ・トッカフォンドなんです。
このアニメーションはすごい好きで、アートを感じます。リドリー・スコットの美意識の高さを感じますし、「ああ、リドリー・スコットの映画が始まるなー」ってなります。
リドリー・スコットが監督した『ロビン・フット』のオープニングアニメーションもトッカフォンドが手がけています。
こちらも幻想的でめっちゃ素敵です!
そして日本でもユナイテッド・アローズのCMも実はやってました。
1998年の制作なので結構前に作られてたんですね。
風格ある豪華キャスト!
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そしてやっぱりすごいのがこの豪華キャストです。
それぞれに個性的な配役を役者が見事に体現していました。
ちょっと大袈裟すぎるくらいなその存在感が、シリアスになりがちなこの重い話をコメディかのようなエンターテイメントに昇華させていたのは、監督の手腕もさることながらこのキャストの力が大きいです。
レディ・ガガ
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主人公のパトリツィアのグイグイいく感じがハマってました。
グッチの御曹司を見つけた途端、目の色が変わり待ち伏せして偶然出会った風に話しかけ「私たち運命ね」なんて言っちゃう笑
目標に向かって突き進み男性社会の中でも負けない知性と強さを体現してました。
あのイタリア語訛りの英語がどうなのかとは思いますが、とにかく存在感がハンパなかったです。
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アダム・ドライバー
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『最後の決闘裁判』に続きの起用。一見気の弱そうなマウリッツィオ・グッチを気品ある佇まいで演じていてさすがの安定感でした。
ジェレミー・アイアンズ
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グッチ家の中心でマウリッツォの父ロドルフォ・グッチを気品と威厳ある雰囲気で良かったです。洋服の着こなしも一番上品でエレガントでした。
こんな大人いたら座ってるだけで只者じゃないなーってくらいキマってました。
アル・パチーノ
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イタリア系だけに雰囲気は一番ハマってます。
日本語を発しながら登場するシーンとか笑えるし、陽気な感じで本作ではコメディリリーフの位置付けです。
イタリアのファミリービジネスの話なんで『ゴッド・ファーザー』も感じさせ絶妙なキャスティングです。
ジャレッド・レト
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今回もやってくれました! カメレオン俳優のジャレッド。
パオロ・グッチ役を好演してますが、もはや誰か分からない笑
特殊メイクを施してどれだけ寄せたのかと思いきや、実物とは違うし笑
そして本作で一番のコメディリリーフ。アル・パチーノとのコンビ芸で笑かしてくれます。
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さらに、ジャレッド・レトはグッチの香水のCMキャラクターもしてました。
元々イケメンなのでこちらが本来のジャレッドです。
サルマ・ハエック
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さらに占い師役のサルマ・ハエック。
『エターナルズ』にも出演してるベテラン女優ですが、この人プライベートでの結婚相手がなんと現在のグッチの親会社である巨大企業ケリングの社長なんです!
ケリングは、グッチの他バレンシアガやイブ・サン=ローランなどのファッションや宝飾品のブランドを多数抱えるコングロマリットです。
グッチ家の嫁をたぶらかす占い師役をグッチの親会社の嫁が演じるという笑
こちらのキャスティングも絶妙で面白いです。
華麗なるGUCCIの衣装
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本作の見どころのひとつはやっぱり華麗なるグッチの衣装です!
グッチ家に入ってからのレディ・ガガはもうシーンが変わるたびに衣装も違って、ファッションショー状態です。
70年代から90年代にかけての衣装の数々が堪能できます。
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メインキャストが全員着飾っているのでとっても豪華です。
グッチ銀座でレディ・ガガの衣装を特別展示
劇中でレディ・ガガが使用した衣装や映画のために貸し出された貴重なアーカイブがグッチ銀座にて期間限定で特別展示中みたいです。
※2022年1月31日まで
救世主トム・フォード
グッチ一族は、その利権を巡ってお互いに対立し、そしてやがて崩壊していきます。
この凄まじいスキャンダルで没落していくグッチというブランドを救ったのが、当時新進気鋭のデザイナーだったトム・フォードです。
映画でも後半にちょこっと登場しています。
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トム・フォードによってグッチはシックな高級ブランドとして更なる成長を遂げます。
現在は自身のブランド「トム・フォード」を展開しています。
トム・フォードは、とても多才な人で実は映画も作っています。
しかも出来がいい!
作品も美意識の高さを感じさせて、美術のこだわりも感じさせる美しい仕上がりです。
『シングルマン』
『ノクターナル・アニマルズ』
物語の見どころ
これまでは、「衝撃の実話」「リドリー・スコット監督」「豪華キャスト」「GUCCIの衣装」「トム・フォード」という見どころを紹介してきました。
ここからは映画の物語の中で感じた見どころを紹介します。
ひとりの女性の成り上がりの物語
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パトリツィアは一介の庶民でしたが、わずかなチャンスを確実にモノにしていきました。ちょっと強引すぎではないかと思うほどグイグイと積極的に攻めていきます。
最初は拒絶されても、あの手この手で結局は相手を取り込んでいくので、そのコミュニケーション能力と知性の高さはすごいです。
グッチ家という男性社会に入ってからも、「よそ者」とされながら「GUCCI」というブランドの中枢に入っていきます。
そこは欲に駆られながらも自分のブランドを守るという高い意識があったからこそ、あそこまで成り上がれたのだと思います。
そんなひとりの女性の逞しい生き様もこの映画の見どころです。
ファミリービジネスの物語
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グッチは一族が全てを支配するいわゆる同族経営の企業でした。
トップの勘によって全てを決めながら、みんながグッチの利権をめぐり好き勝手をして崩壊していきます。
強力なトップがいればまとまりますが、そのバランスが微妙な中にパトリツィアのような「異物」が入ることで問題が表面化し加速度的に重症化していきます。
イタリアのファミリーものなので『ゴッド・ファーザー』を思い出してしまうのですが、そういうファミリービジネスの難しさみたいなこともこの映画から学べて、見どころのひとつとなってます。
ブランドビジネスの物語
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グッチは、高級ブランド路線だったがその後ライターやタオルなどライセンス品を出すようになり、高級イメージを失っていきます。
劇中では、そこにメスを入れようとするパトリツィアの姿もあったりして、意外と経営の才能があったかのように見えます。
この辺りの舵取りは経営判断となるのでブランドをどういう方向に持っていくのか、どう利益を伸ばしていくのか資本を外から入れるのかなど、ブランドビジネスの話も出てきますのでそこも見どころのひとつとなってます。
ちなみに初めてライセンス品を出したブランドはピエール・カルダンで、彼のドキュメンタリーはブランドビジネスの話としても面白いです。
デザイナーでもありビジネスマンでもあったことがよく分かります。
大富豪の崩壊の物語
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そして、大富豪となった一族がその支配を巡って裏切り、復讐し、最終的に殺害まで企てるというこのスキャンダラスな展開は、いつの世にも起こる権力の怖さを物語っています。
妻が権力者をそそのかし、ライバルを陥れていくという流れはまさにシェークスピアの「マクベス」そのものです。
そうなんです。この物語は、「現代のマクベス」なんです。
最後に
書いているうちに多少脱線してしまい思ってたよりボリュームが増えてしまいました。
でも映画を観る前でも観た後でも補足になる情報じゃないかなと思います。
リドリー・スコットは前作も含めて本当にいい仕事をしているので、ぜひこの映画も楽しんでいただければと思います。
インスタでも映画ネタを色々と紹介しています。
またいろいろな切り口で映画ネタを紹介していければと思います。
最後までありがとうございます。