【読書】美しい読書をしよう!?
美しい本。
アランの『幸福論』は
その哲学さと詩歌のような調べから
美しい本と呼ばれていたらしい。
美しい、というのは、
またちょっと洒脱な言葉だなあ。
英語でも、
感動的で見事な人生を描いた映画を
ビューティフルと呼んだりするから、
「美しい」を
映画や小説やエッセイについて
美しさを基準として使っても
まんざら間違いではないらしい。
昔、あるアメリカ人が
映画『フィッシャー・キング』を観て
「あれはビューティフルだった」と
話していたのが印象的でした。
ホームレスが出てきたりするんだけど、
そんなことは関係ないらしい。
あらすじとして、希望を回復する
感動的な中身だったからでしょうか。
さて。
今、美しい調べを奏でているのは
どんな本でしょうか?
それは、もしかしたら、
川上未映子の『夏物語』か?
中島京子の『やさしい猫』か?
「美しい小説」の条件は、
詩情、抒情がこめられていること。
それから、登場する人物の在り方が
潔く魅力的であることでしょうか?
となると、
太宰治はどうだろうか?
潔い魅力の人物はいるか?
いないなあ。
三島由紀夫もいないかもしれない。
強いて言えば、『潮騒』か?
谷崎潤一郎には詩情はあるか
微妙だなあ(笑)。
『細雪』を除けば。
漱石や鴎外に、詩情はあるかしら?
ないかしら?
なぜだか、大江健三郎には
詩情は感じにくいけど、
開高健には詩情を感じますね。
まあ、これらはあくまで
私の主観に過ぎませんね。
どうも、短編小説が多い作家ほど
もしかしたら、詩情を大量に
秘めているかもしれない。
阿部昭や吉行淳之介らは、
実にユーモラスな詩情に溢れてます。
須賀敦子も詩情をたっぷり
持っていましたね。
あら、なんだか、話が
思い切り逸れました。
美しいと呼べる本。
美しい本。
感動した、とか、
癒された、とか、
怖かった、とか、
心が震えた、とか、
本には色々な感想があるでしょう。
でも、美しいかどうか?
という尺度を引っ提げて、
基準にすると、
少し変わった読書ができるかも
しれません。
みなさんにとって
美しい本はどんな本ですか?
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