見出し画像

【推薦図書】対談はやっぱり面白い。読むのも作るのも。

ある書店にいったら
谷川俊太郎さんの追悼フェアで 
興味深い本が並んでた。

穂村弘対談集
『よくわからないけど、
あきらかにすごい人』
毎日新聞文庫。

あきらかにすごい人の、
いったいどこがそんなにすごいのか
対談ホスト役の穂村弘さんが
深い話を引き出している。

対談相手は、
①谷川俊太郎(詩人)
②宇野亜喜良(イラストレーター)
③横尾忠則(美術家)
④荒木経惟(写真家)
⑤萩尾望都(マンガ家)
⑥佐藤雅彦(映像作家)
⑦高野文子(マンガ家)
⑧甲本ヒロト(ミュージシャン)
⑨吉田戦車(マンガ家)
(10)和久井直子(ブックデザイナー)

この本は、
2013年に単行本が刊行され、
2023年、毎日文庫から発刊された。

今なら、写真家のアラーキーは
昔のセクハラ問題で
人選から外れたでしょうけど、
9人の対談相手はとにかく凄い。

谷川俊太郎、萩尾望都、
甲本ヒロト、佐藤雅彦、
横尾忠則、吉田戦車などは
もう天才という他はないけれど、 
その天才である所以を
穂村弘さんは知りたかったか、
この対談本の担当編集者が
そこを極めたかったか。

いわゆる、ベタに知名度だけで
選んだだけではない気がする。
なかなか人物セレクトの粋な
対談本になっていますね。

この本は、
対談の主役が穂村さんだから、
成立した本ですね。  
対談相手もオファーされた時、
どんな人が聞き役か大きいですからね。

専門の短歌が入ってないのは
不思議ではあるけど、
穂村さんが仕事をご一緒してる
イラストレーター宇野亜喜良さんや
ブックデザイナー和久井直子さんは
話も通じやすかったでしょうけど、
高野文子や吉田戦車さんは
きっと穂村さんか編集さんからの
熱いラブコールで招かれたにちがいない。
こういう対談本はとても専門的な話を
一般のみんなにもわかるよう、
穂村さんに解すように
話を進めて貰えるため、
準備がかなりかかる。
準備がかかるとはいえ、
穂村さんと打合せが出来るんだから
編集者としてはやり甲斐も大きい。

それから対談当日は、
穂村さんと対談相手が盛り上がるよう
編集は対話をそばで聞いていられる。

その後、対話の書き起こしを
ゲラに落とし込み、
穂村さんと対談相手に回し、
加筆修正をお願いする。
その戻りを見る時の感動は、
想像するだけでワクワクだ。

ゲラに書かれた加筆の赤字を見ると
「天才って違うなあ」と
感心させられる。
これまた編集冥利の作業だ。

やってる最中は、
インタビューや対談の作業は、
もう面倒が多くて大変だけど、
それ以前の人選や対談当日の
おしゃべり自体はとてもワクワクで、
つい企画してしまう。

いやあ、久しぶりに
対談やインタビューの仕事が
したくなりました。

あ、そうだ、
note上で、色んなnoterさんに
お声をかけて対談させて頂き、
一冊の対談集でも、
作れたらどうでしょう?
毎日楽しい記事を上げている人々の
動機や工夫や困難を掘りさげる対談、
楽しそうじゃないですか!
ね!

いいなと思ったら応援しよう!