見出し画像

【文学】病気が生みだす名作も多い。

風邪や高熱の時に
ピッタリな本って何だろう?
風邪に効く本って何だろう?
昔から虚弱体質で、
人生の三分の一は風邪を
引いてきた気がする。
それでもやっぱり人は
本を読みたくなる。

一番に浮かぶのは、
作家自身よく熱を出すと記した
中勘助の『銀の匙』でしょう。
『銀の匙』を読んでると
なんだか微熱を感じるんですよね。

中は漱石のお弟子だった人ですが、
漱石も健康面では
弱い人だったらしく、
作品からも虚弱なさまは
なんとなく伝わってきますね。

ほかにも、
遠藤周作や吉行淳之介も
健康面に問題を抱えていたから
作品にどうしても
微熱とか気だるさが登場する。
そんな時、同じく虚弱体質として
とても共感しやすい。

それから、
最近やっと好きになってきた
古井由吉の作品は、
特に晩年の作品は
ほとんど病気が背後に潜んでいる。

古井由吉なんて、
又吉直樹があんなに
絶賛してくれなければ、
興味を持たなかったかもしれない。
でも、先月55歳にもなり、
さまざまな面で老化を痛感するや、
俄然、古井由吉の魅力に
取り憑かれてきました。

本当は老化になる前に
その魅力を知るべき文学者でした。

病は、人間存在の根幹を
揺るがす大問題です。
ハンディキャップです。
マイノリティでもあります。
そんなハンディを抱えた作家しか
見えないことはたくさん
あるでしょうね。

他にも、日野敬三や色川武大、
アメリカのオコーナーや
イギリスのウルフなど、
病と切っても切れない文学者が
たくさんいますね。

いつか、きちんと深掘りして
いきたいテーマですね。

いいなと思ったら応援しよう!