成功体験にすがったら失敗体験?
時代についていけなくなった。
あれはなぜだろうか?
この休職時代はそればかり考えていました。
いつ頃からだったかしら?
3~4年前?
もっと前からだったかな?
私が面白いと思って企画を出して
漫画家さんに書いてもらって、
どうか売れますように!
売り切れますように!
そう願って世に出したコミックスが
どうも苦戦することが増えてきた…。
もともと、感覚的には、
ハッピーエンド漫画や
スッキリ爽快な主流マンガより、
ちょっと切ないマンガや
ハッピーエンドでないマンガを
敢えて出したいと考える、
意固地な反主流タイプでした。
でも、こんな感覚が好きな読者も
それなりにいるだろうと…。
それがどうも、40代半ばから、
結果的に厳しい仕事が増えました。
どこが悪かったんだろう?
カバーデザインかな?
タイトルかな?
あれこれ悩んで、
それでも軌道修正はしないで
連載を続けました。
今思うと、もう、
デザインやタイトルの問題ではなく、
もっと根本的に、
若い漫画読者のセンスや価値観や好みが
私には分からなくなっていたんですね。
40半ばも過ぎて、
マンガ好き読者の嗜好からは
外れていたんです、おそらく…。
30代では、自分が読みたいと思える
企画を世に出し、
多少は売り上げにも貢献しました。
企画の原点はあくまで
自分が読みたいか!だと思ってました。
自分自身が対象読者と重なる場合は
これでいいんだと思うんです。
ただ、対象読者と私自身が
もしも解離しだしたら要注意なんです。
私は読者との「解離」に気づかないまま、
エンタメは数字や売上数だけじゃない、と、自分にも周りにも
言い聞かせるようにして、
意地を張るように仕事を続けた。
時代の流行りから外れるのって、
最初は、かすり傷位にしか感じない、
気づかないもんなんですね。
流行から外れてしまうって
あっというまに始まり、
気づいたら、もう戻れなくなる。
流行り廃れの激しい業界あるあるかな?
自分の好みと時代の流行りが
一致してくれるのは、
いつまでも続かないのかな?
いやあ、今は仕事から離れて1年数ヶ月。
客観的になって、他人ごとのように
コミックス売場を見渡してると、
10代20代のマンガ読者が
今欲しがってるものを、
正直、自分からは提供できる気がしない。
自分が30代で、
時代と添い寝出来ていた時代が
むしろ幸せ過ぎたんでしょうね。
その時の感覚を必勝パターンとして、
また、成功体験として持続し過ぎたのが、
40代になり、ヒットから遠のいた
原因だったかもしれない。
成功体験はいつしか
失敗体験になってしまう…なんて。
人生には面白い謎がまだまだ
いっぱいありそうです!!