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【小説】名作が書ける条件とは?
名作の条件。
ふとこの間から気になってるんです。
例えば、夏目漱石では
まずどれが名作か?
全部かもしれないけど、
敢えて一つ挙げるなら?
累計売り上げ部数では
群をぬいて『こころ』。
開高健は『坊っちゃん』だという。
向田邦子は『虞美人草』を
愛読していた。
ジブリ宮﨑駿は『草枕』が
一番娯楽として面白いという。
古井由吉は『道草』を挙げていた。
私小説作家はやはり漱石の
私小説を挙げている。
戦後作家の小島信夫は、
漱石の最高傑作は
遺作の『明暗』だと言う。
まあ、それぞれ価値観が
あるのは当然として、
近代文学で、一番の売上なのは
『こころ』にちがいない。
累計で750万部は優に越えている。
『こころ』は後期3部作の
3つめの作品で、
漱石は、40代半ば。
成熟していたはず。
でも、人間は每日、
年々知恵はつく。
特に漱石みたいな学者肌は
勉強も積み重ねてたでしょう。
漱石じゃなくても、
誰だって、長生きすれば、
知恵もつく。
人間観察量も積む。
人生の機微もどんどん味わう。
こう考えると、
年を取れば取るほど、
人間は名作を書けるようにしか
思えない。
ところが、作家で、
遺作、最後になった作品が
最高傑作か!というと、
必ずしもそうではない。
多少は勢いづいた30代40代が
一番伸びやかに書いたのが
最高傑作だったりする。
三島由紀夫はまだ中年期に
書いた『金閣寺』が一番でしょう。
自殺する数年前に太宰治は
『人間失格』を書いた。
とはいえ、まだ40代だった。
村上春樹はどうだろう?
彼の最高傑作はどれかな?
私は『ねじまき鳥クロニクル』に
一票、なんですけれど。
さて、ざっくりした話に
なりましたが、
何歳で作家デビューしたか?
何歳で病に倒れたか?
など、本当に議論するには、
必要な面倒な準備を
すっ飛ばしました(笑)。
それから、もちろん、
その作家や作品の特性にも
よるでしょうから、
50代に書いたのが一番だって
こともママあります。
あ、20代だってことも
かなり多いでしょうね。
でも若書きの作品は
深みがなくて、
一時的にハマるだけな場合が
多い気もする。
やはり、勢いだけでは
文学は名作にはなれない。
ここである疑問が湧いてくる。
人は年を取れば取るほど、
知恵はつくのでしょうが、
忘れてもいくでしょうし、
また知恵は多すぎたら、
自由をうしないがちに?
なるのかもしれない。
知恵は持ちすぎては行けない。
また、体力が弱くなっても
よろしくない。
生涯で名作が書けるのは
いつが一番か問題は、
中年期がいいだろう、
という結論になりそうだけど、
これもまた、
ギネス記録みたいに
チャレンジしていけば
いい問題でもありますね。
先人たちは人生50年だった。
でも、私たちは人生100年とも
騒がれているのですから。
名作はいつ一番生まれるか?
これはまた、これからの人が
どんどん塗り替えればいいのかあ。