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【文豪】夏目漱石は芥川賞・直木賞をとれただろうか?

もしも?
夏目漱石が大正生まれだったら、
芥川賞をとれただろうか?
あるいは、
明治大正時代は通俗作家として
扱われることもあった夏目漱石なら
直木賞だろうか?

まず、どの作品なら、
ということを決めねば、
という前提を始めなければ。

『吾輩は猫である』か?
『草枕』か
『三四郎』か?
『こころ』か?

芥川賞にノミネートされそうなのは
『草枕』か『こころ』かしら?

直木賞にノミネートされそうなのは
娯楽性が高い『吾輩は猫である』か
『三四郎』か?

『草枕』は日本文学が
まだ出発して間もない頃、
写実主義的で、
私小説的でした。
それに反発して、
もっと小説は自由なものじゃ
ないのか?と訴えたものでした。

だから、そうした背景がなく
作品だけを味わうと、
シンプルな魅惑的なストーリーを
ただただ味わうことになる。

芥川賞を取るには、
理由が不十分かもしれない。

なんか、漱石さん、すいません、
私がかってに持ち出して
後で落選させるみたいで。
私は『草枕』、大好きなんですよ。

『こころ』は
天王の崩御に合わせて
乃木大将が「殉死」した
その事件が背景にはあります。
「殉死」がどれくらい、
当たり前?な行為かが
読者にわかってるか?いないか?で
実は『こころ』はがぜん
大作にもなれば、
佳作にもなる不思議な作品です。

われわれ、令和を生きる人間には
殉死の当たり前さは当然
よく分からない。
ただ、リアルタイ厶で
書かれ、読まれていたなら、
『こころ』は自殺をめぐる
倫理的な挑戦性の高さから
評価されたでしょうね。
芥川賞、とれたのでは
なかったでしょうか。

って、勝手に私が個人的に
判断してるだけですけれど。

『吾輩は猫である』は
日本文学初の猫語り小説。
痛快な風刺は愉快で、画期的ですが、
直木賞をとれるほど、 
成熟はしてませんかねえ。

『三四郎』は
あまりに気ままで自由なマドンナを
描いた傑作ですが、
恋愛には至っていないから、
こちらも作品として未成熟さから
直木賞は取れないでしょう。

文豪だって、
芥川賞、直木賞、取れないことが
あるんだってことは、
わかりました。

他にも、
では森鴎外ならどうか?
樋口一葉ならどうか?
幸田露伴ならどうか?
中勘助ならどうか?

色々と考えてみるのも
楽しみですねえ。

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