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【夏の読書】納涼にピッタリ、心ゆさぶる文学はいかが?

暑いですねえ。
こんな時は、夏の定番、
ホラー・ミステリーや、
夏によく出る実話物の文庫など、
怖い本は色々ありそう。

「怖い」にも色々ありますね。
いわゆるホラーは苦手、
スプラッターや実話系はまして苦手、
そんな方にオススメしたい本があります。

『コンビニ人間』で芥川賞をとった
村田沙耶香さんの『殺人出産』や『消滅世界』。
実に実に「怖い」作品です。

殺人と出産?どういうこと?
そう、タイトルからして怖いですね?
あらすじにも、
「10人出産した女性は、誰か一人を
殺す権利を得る?」「命を奪うものが命を創る」
とあるけど、どういうこと?
そうです、これはエスエフ的な世界観で
読者をひきつける、でも命や悪や殺人について
色々と考えさせてくれる「純文学」です。

今村夏子さんの『星の子』も怖い。
今度、芦田愛菜ちゃんで映画化されます。
病弱のわが子を救いたいために「宗教」に
ハマる夫婦がどんどん変貌する物語。
この親二人の変貌を、破滅と捉えるか?
当然のことと捉えるか?
いや、これを読んだ人はきっと
皆さん、解釈がちょっとずつ違いそう。
最近、こうしたラストの解釈が全然
分かれる優れた小説が減っている中、
新進作家がこうした名作を書いてくれている。
うれしい話です。
小説もドラマも映画も、ラストの解釈で
「泣ける」「癒される」「スカっとした」
「どんでん返しだ」など、まあ一言でいうと
解釈がほぼ一致するのが多い中、
こうした、読者の価値観なり、立ってる土台なりを
揺さぶってくれるのが、素晴らしい本であり、
すごい読書体験だと思うのですが、
そういう意味では、いい本は、
鳥肌もののふるえが出る本、
つまり怖い本なんでしょうね?
夏にお勧めの納涼純文学?いかがですか?


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