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【全集】日本文学全集を個人的にセレクトしてみたら楽しかった話

『世界の十大小説』について
先日、記事を書きました。

イギリス20世紀の文豪
サマセット・モームが著した
名作案内で、ざっくり言うと
世界文学ベスト10!ですね。

ならば、日本文学ベスト10を
セレクトしてみたら?
という依頼があったら、
(ないに決まってますが)
何を挙げたらいいでしょうか?

漱石、鴎外から始まって
芥川、谷崎、川端、太宰、三島、
という風になってしまうのなら、
誰でも出来るでしょうし、
誰にも関心を持たれないですね。

だから、思い切って、
僕だけの『日本文学ベスト10』を
セレクトしたくなりました。

条件は、
現代日本語で書かれた文学作品。

ちなみに、以前、
面白い日本文学全集を、
作家・池澤夏樹が独自に
セレクトして話題になりました。
出版社は、河出書房新社でした。 
2020年頃になりますか。
 
それは、紋切り型の文学全集とは
どこまでもちがっていたため、
文学全集好きには衝撃でした。

まず近代文学の1冊めは
樋口一葉、漱石、鴎外の3人の
作品を集めたものでした。
漱石が独立して1冊じゃあないのには
驚きました。
鴎外と抱き合わせでもなく、
樋口一葉との3人の抱き合わせ。
まずはそこで、たまげました。

それから、志賀直哉がない。
太宰や三島、川端も
入っていませんでした。

その代わりに、
石牟礼道子で1冊。
須賀敦子で1冊。
大胆なチョイスですね。

それから、宮沢賢治と中島敦で1冊。
開高健と日野啓三で1冊。
大江健三郎は一人だけで1冊。
吉田健一がまた一人で1冊。
中上健次もまた一人で1冊。

このセレクトには度肝を抜かれました。
思い切りがいいなあ。
でも、現代という時代に敢えて
日本文学全集を出すんだから、
それくらい大胆でなくちゃ、
意味がありませんものね。

さて。
それならば、
私もやってみたいと思うんです。
日本文学全集、令和版って感じかしら?

◯橋本治『三島由紀夫とはなにものだったのか』
◯三浦しをん『舟を編む』
◯大江健三郎『ヒロシマ・ノート』
◯吉行淳之介『暗室』
◯中上健次『枯木灘』
◯中島敦『光と風と夢』
◯川上未映子『夏物語』
◯佐藤泰志『海炭市叙景』
◯堀田善衛『方丈記私記』
◯角田光代『ツリーハウス』
◯江國香織『流しのしたの骨』
◯安部公房『カンガルー・ノート』
◯村上龍『愛と幻想のファシズム』
◯遠藤周作『深い河』
◯桐野夏生『グロテスク』
◯色川武大『怪しい来客簿』
◯須賀敦子『塩1トンの読書』
◯小川洋子『人質の朗読会』
◯村上春樹『ねじまき鳥クロニクル』
◯谷川俊太郎『二十億光年の孤独』

戦争に関する小説は無いですが、
その替わりに、
戦争によって歪められた
戦後日本の精神風景が、
そこかしこにのぞく作品が
揃ったかな、と思います。

しかし、このセレクト、
今の20代30代の人々には、
ちょっと古く感じるでしょうか。
40代の方々にも、どうかなあ(笑)?

でも、やってみて楽しかったです。
やはり、個人の感覚で
日本文学をセレクトするのって
まあ、それらが束になって
何かを伝えようとするものだから、
責任と緊張があって、よい刺激でした。

良かったら、
皆さんも、皆さんの日本文学全集、
セレクトしてみませんか?
楽しいですよ?

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