【対決】あなたは太宰治派?三島由紀夫派?
人は対決ものが好きらしい。
とりわけ、漫画。
とりわけ、ジャンプ漫画は
対決ものが盛り上がる、
それが鉄則らしい。
そんな訳で今日は、
作家、太宰治VS三島由紀夫を、
やってみようかと思います。
太宰のストロングポイントは
マイ・コメディアン。
道化の心!ピエロの魂ですね。
深刻ぶった仮面をつける場合も
ありますが、
いずれにせよすっぴんでは
他人の前に出ていけない繊細さ。
これは、
三島由紀夫も実は同根ですね。
日本作家史上、
自意識過剰のツートップかな。
ただ、三島由紀夫は
戯ける方向に向かわなかった。
関東人らしく、ユーモアはない。
そのぶん、三島は
周りに求められる通りに
自己を整えていった。
優等生、秀才、文学青年、エリート、
知的作家や役者やマッチョやら。
最後のミリタリー時代だけは
三島としては初めての、
世間への反抗だったかもしれない。
ところで、文学のお手本として
尊敬していたのは、
太宰、三島、ともに
夏目漱石ではなく、
森鴎外だった点は2人一緒。
博識で、海外古典に通じ、
しかも世俗界でも、
陸軍医のトップに昇進した鴎外。
家父長制時代のシンボルは
太宰からも三島からも
尊きアイドルに見えたに違いない。
最初の代表作はどうだろう?
太宰のデビュー表は『晩年』でしょう。
いきなり年寄りから行き始めて、
どんどん幼くなっていく。
『ベンジャミン・バトン』みたい(笑)。
三島のデビュー作は、
三島自身の言葉によると、
『仮面の告白』だ。
実際には、『仮面の告白』以前に
何冊かありますが、
精神をもっとも傾注した最初の作品は
『仮面の告白』となる。
これまたいきなり
自伝であるところから
作家生活を始めるところが
余りに太宰と同じ構造でしたね。
さて、晩年はまた
二人とも、有名なことですが、
自殺をして生涯を閉じているのは、
あまりによく似ている。
デビューの後、
苦しみながら、
『御伽草子』『正義と微笑』
『新ハムレット』
『パンドラの匣』など、
古典や知人の日記などを元に
独自の世界を深めた太宰治。
デビューの後、
三島由紀夫は、
太宰よりも巧緻に、
『金閣寺』『青の時代』『宴のあと』など
社会問題を題材にして
文壇や世間に衝撃を与えながら
作家生活を重ねていきました。
『金閣寺』『禁色』は評価されるも、
自信満々で臨んだ『鏡子の家』が
不評に終わったことは、
相当な挫折として、後の創作活動を
低迷させました。
さあ、晩年の到達点を考える。
太宰治は『斜陽』や『人間失格』
かと考えると、
デビュー作『晩年』に比べて
深みがない。浅い。
ただただ、悲しさの果てを
派手に追求しただけに見える。
そこへ行くと、
三島由紀夫の到達点は、
遺作、豊穣の海シリーズ
『春の雪』『奔馬』『暁の寺』
『天人五衰』の4冊だろう。
これは、見事な人間探求の
到達点にもなっている。
晩年の作品では、
明らかに三島由紀夫が太宰に
勝利を収めたように思われる。
まあ、これはあくまで
私の個人的は主観です。
ご清聴ありがとうございました。
よければ、みなさんは
太宰治が好きか?
三島由紀夫が好きか?
教えて頂けたら嬉しいです。