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【初恋】村上春樹『ノルウェイの森』と初めての彼女

『ノルウェイの森』は
恋のキューピッドだった?!

私の大学時代、1980年代は、
村上春樹と村上龍と吉本ばななが、
スターだった。

大学のため上京してきた田舎ものには
『ノルウェイの森』の単行本が
発売されたばかりで、
本屋さんに山のように積まれ、
金と銀のキラキラした帯は
本当にまぶしかった。

はじめての夏休み。
あるデパートの催事場
『チベット展』で会場スタッフの
アルバイトをすることにした。

高校生までは
クラスの女子から、
さっきの授業の疑問を説明してよ
などと訊かれるだけで、
心臓がバクバクし、
顔は耳まで真っ赤になる、
女子免疫力ゼロ、
純度100%のオクテ童貞くんだった。

それが、いきなり、
デパートで女子社員や女子バイトさんに
囲まれる夏休み。
それはまるで劇薬療法だ。

女子バイトさんや、
女子社員とランチや休憩に行く。
はじめて女子と、顔を見て、
心臓はバクバクしないで、
顔も真っ赤にしないで、
きちんと話せるようになった(笑)

あるランチで
『ノルウェイの森』が話題になり、
私は持っていた上巻を、
ある女子社員に貸す事になった。
下心はゼロではなかったが、
そんなに高くもなかった。
4才くらい年上の女子だった。

上巻を返され、下巻を貸すことに。
あらすじについて、
中身の暗さについて、
春樹の本はセックスとビールが
多いことについて、などなど、
女性と自然に話ができた。

下巻が返される時には、
デートに出かける約束をした。

『ノルウェイの森』が取り持ってくれた
はじめての彼女だった。

純度100%オクテ童貞くんは
村上春樹にいくら感謝しても
しきれない。(笑)

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