【文豪】夏目漱石がわからない!?
夏目漱石は、学生時代から
愛読してきました。
私は鴎外より断然、漱石派。
漱石について思うのは、
読むコンディションによって?
あるいは年齢によって?
『こころ』が一番いい時もあれば
『道草』にハマる時もあり、
『草枕』にうっとりする時もあれば
『夢十夜』を耽読する時もある。
これって年齢のためでしょうか。
ただ、漱石は扱いが厄介でして、
チャキチャキした『坊ちゃん』は
どんな時でも楽しめますが、
後期三部作の
『彼岸過迄』『行人』『こころ』
あたりになると、
メンタルが落ちてる時には
読まない方がいい気がします。
メンタルが落ちてる時は、
漱石が描く人物は
正直、情けなさ過ぎて、
腹が立ってくるんです(汗)。
漱石が描く主人公の男は、
みな、女性には超オクテで、
告白も交際も下手で不器用で、
それなのに、他人に対して、
独占欲や猜疑心はめっぽう強い。
男から見ても、
女性から見ても、
まあ、こんな人、最悪ですよね?
自業自得といいますか。。。
それなのに、人間は孤独だとか
言われてもねえ(笑)。
こちらのメンタルが良くない時は
うじうじしたオクテ男には、
共感しにくいんですよね。
自分から近づいて
愛想よく話しかけたり、
人と仲良くしようと努力したら、
漱石の孤独は、もう少し
薄まったんじゃないかしら?
そんな風に思えて来るのは私だけ?
後期三部作の人間の
生きる苦しみは、
一人勝手に孤独を選んだ人間として
自業自得だったのではないか?
とすら思えてくるんです。
なぜ、人には自分から
近づいていかないのか?
なぜ、モテるために
もっと努力をしないのか?
こうした作品も、
読者側のメンタルが
安定しているのなら、
ぜんぜん読めるんですよ。
あくまで、時どきですよ。
漱石の描く男に苛立つのは(汗)。
おそらく、そうなるのは、
自分も同じようにオクテだし、
自分から努力して人に近寄ろうとは
しない人間だからにちがいない。
漱石の描く男は、
情けないダメンズが多いのですが、
そんなキャラクターに、
同じタイプの人間は、
やはり共感しやすく、
それが漱石の作品が何十年たっても
人気がある秘訣なのでしょうね。
漱石の小説は、
読む時のこちらのコンディションに
大きく左右されやすい。
どんな小説にも、
そうしたことは言えますが、
漱石はその最たる作家かもしれません。
それにしても、
モテないオクテ男を書かせたら
夏目漱石はダントツでしょう。
良くも悪くも(笑)。
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