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【ノーベル文学賞】村上春樹はちょっと運が悪いだけ!?

もうすぐ、ノーベル文学賞が
発表されますね。
10月10日予定だそうです。

先ほど、Wikipediaで
20世紀に受賞した文学者を
眺めていたんですが、
意外なのは、
半分は今も有名な作家たちで
たとえば、メーテルリンク、
ヘッセやジイドやベルクソン、
ロマン・ロランやフォークナー、
カミュやヘミングウェイ、
ガルシア=マルケスやカズオ・イシグロ
など豪華な顔ぶれが
受賞者として並んでいるのに対し、
もう半分は、ぜんぜん今は
知られていない人もいっぱい
いるということでした。

ところで、今年は、
ハルキストたちも
さすがに騒がなくなりましたね。
ちょっとひと安心です。
毎年、あれがイヤでした。
作者自身は冷めているのに、
マニアたちがガヤガヤ騒ぐ
あの気持ち悪さ、、、。

とはいえ、私も、
ハルキストではないけれど、
春樹ファンの一人だから、
ノーベル賞作家になったら
それは嬉しいでしょうね?

でも、村上春樹の作品には
テーマの政治性、社会性が強くない。
戦争や暴力と戦うというテーマが
長編作品には込められていますが、
もう少し踏み込んだ政治性が
あったらきっと、もうずっと前に
受賞していたでしょうね。

2015年に選ばれた
アレクシェービチ(ベラルーシ)は
対独戦争やアフガン戦争、
また、チェルノブイリ原発事故に
取り組み続けた功績があって、
受賞した理由が一番わかりやすかった。

大江健三郎さんが受賞したのは、
冷戦や核戦争の恐怖の下で
人間はどう生きるのか?
というテーマが、
大江さんの作品には長く深く流れていて、
そうした政治的、国際情勢的なテーマは
ノーベル賞的ではありました。

川端康成は、
川端自身の凄さもさることながら
戦後の日本研究で
川端や谷崎や三島を世界中に広めた
サイデンステッカーや
ドナルド・キーンらの功績が
大きかった。
事実、川端は、賞金の半分を
サイデンステッカーに渡してます。
自分一人の力ではなく、
サイデンステッカーさんが
翻訳して広めてくれたから、
そのお礼だとして。

2022年に選ばれた
アニー・エルノーという
フランス人作家は、
妊娠や中絶を取り上げ、
フェミニズムの時代らしい
作品を書いてきた人だった。

村上春樹は、
政治的なテーマ性からいうと、
強くはないほうだから
受賞しないのではないか?
といいましたが、
これで、いざ受賞したら、
「ほらねやっぱり取りましたね、
『ねじまき鳥クロニクル』では
ノモンハン戦争を取り上げたり、
『アンダーグラウンド』では
オカルト宗教の実情に迫ってたでしょ」
と私は簡単にひよりそうですが(笑)。

でも、今は、ウクライナや
中東のアラブ対イスラエルなど
国際情勢が焦眉の問題として
連日報じられています。

スウェーデンの
国立アカデミーからしたら
こうした世界紛争に
少しでも貢献した人や組織に
ノーベル賞を授与して
政治性を果たそうとするに違いない。

さあ、どうなるか?
個人的には、
パレスチナ(アラブ側)の作家や組織が
発言権をもう少し持てるような
誰かにスポットライトが
当てられたらいいのかな?
と思ったりしちゃいますが、
アラブ・ユダヤ問題は、
ヨーロッパ人には特別だから、
極東の私が余計なこと言わない方が
いいでしょうね。

ハルキストの話を書こうとして、
途方もない、私には手に負えない話に
なってしまいました。

少なくとも、
連日、中東やロシアで
ロケットミサイルが
飛び交うような日が続く限りは、
村上春樹には出番はない。
日本が島国として余りにも
1歩も2歩も世界政治から
遅れているからかなあ。
春樹が選ばれないのは、
春樹自身のせいではない。
どうも日本という国のせいらしい。
でも、この平和さはそれはそれで
有り難く感謝しなくては。

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