【文庫化について】伊坂幸太郎の文庫はいつもお買い得?!
もう10数年以上前でしたか。
伊坂幸太郎は、若い頃、
毎作品、大きな本を文庫にする時
1~2割は文章を変えていた。
かなり書き直すことで有名でした。
とりわけ、改稿していたのが
『重力ピエロ』。
帯などでは、改稿は特に謳ってないけど
でも、目次の章だてを見ると
ぜんぜん違ってたから、
ビックリしました。
ごっそり無くなった章もあり、
新しく増えた章もある。
あれ?あれ?あれ?
かなり変わったのなら、
新しく出た文庫を買うべきか。
でも基本の筋が違わないのなら、
買わないでもいいかな?
迷いに迷って、新潮社の
文庫編集部に電話をしました。
伊坂幸太郎さんの文庫担当編集が
電話に出てくれた。
「新刊の『重力ピエロ』、
書き直されてるようですが、
どれくらい変わりましたか?」
「ミステリーとして、
筋は違いはありますか?」
「それで、なぜ変えたのですか?
単行本では伊坂さんが納得
いってなかったのですか?」
ちょっと、返答が困ったのか、
沈黙がしばらくあった。
その後、担当さんは、
とにかく良くなってるから、
渾身の作品になってるから、
文庫もぜひ買って欲しい、
と電話で熱く語った。
担当さんの必死さは伝わった!
だから、買いました。
伊坂幸太郎『重力ピエロ』の文庫を。
担当者の必死さは伝わったから。
伊坂さんはほぼ全作品、
1~2割は内容に手を入れる。
だから、
単行本も、文庫も、
毎回、買いたくなる。
違う会社で新しく出し直す時は
新しい「あとがき」がまた加わる。
やっぱり買いたくなる。
それに、文庫にする時は普通、
解説が加わりますね。
解説で理想的なのは、
色んな方の文庫に解説文を書く、
解説の「常連さん」より、
ちょっと目新しい人が
解説を引き受けてる場合が嬉しい。
よく後書きを引き受ける
書評家の瀧井朝世さん、
中江有里さん、
作家の川上弘美さん、
ピース又吉直樹が解説者だと、
正直、またキミかあってなる…。
褒め方やオススメ方が似てる。
きっとご本人たちは気をつけて
いるでしょうけど。
漫画文庫では、
水木しげる作品の文庫には、
京極夏彦さんや荒俣宏さんや、
どっちかが解説を書いている。
解説の常連さんだ。
でも、たまに、
文学批評やミステリー畑でない人が
書いてると、おお?!となる。
それも客観的に捉えつつ、
本自体は大好きな人、
たとえば、
養老孟司さんや、
俳優・山崎努さん。
めったやたら誉めない人の、
レアな文庫解説はだから嬉しい。
迷わずに買う。
これも、もしかしたら、
担当編集氏の思うツボなのかな(笑)
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