【インタビュー】作家にインタビューできる幸せな職業は?
尾崎真理子。
元・読売新聞記者。
新聞記者には、
優れた文芸評論家や
貴重な評伝作家になる人がいる。
たとえば、上記の尾崎真理子さん。
読売新聞・文化部・文学研究担当者。
尾崎真理子は、
『大江健三郎 作家自身を語る』
という1冊において、
文学研究史に残るでしょう。
大江健三郎と30年近く
取材、インタビューを積み重ね、
『大江健三郎 作家自身を語る』
という評伝を著した。
語り手・大江健三郎。
聞き手、執筆・尾崎真理子。
長年、インタビューされてきた
大江健三郎は、心のトビラを広げて
尾崎真理子の質問に答えている。
貴重な1冊だ。
これは、新聞記者であり、
文学研究をメインとする評論家で、
かつ、今を生きる作家に挑める人に
しかできない仕事でしょう。
尾崎真理子は、
大江健三郎に関しては、
亡くなる前に評伝
『大江健三郎 作家自身が語る』を
書き著し、
その前後に、
大江に関する文学評論を
3冊書いている。
また、尾崎真理子は、
詩人・谷川俊太郎を、
インタビューし、評伝として
まとめあげている。
『詩人なんて呼ばれて』
それが今月、文庫になった。
新潮文庫。
細やかなインタビューだけでも
たいへんな仕事ですが、
また、作家や詩人本人が無意識に
抱えている内的テーマを
ズバっと分析していたりする。
単なるインタビュアーではない。
そこが優れた文学評論家の
条件かもしれない。
ちなみに、
新聞記者やテレビディレクターで
尾崎さんと似た活動をしてる人が
ママいたりする。
たとえば、テレビマンの
今野勉さんは『宮沢賢治の真実
〜修羅を生きた詩人』という
衝撃的な評伝を書いている。
宮沢賢治の中に、
BL的な情念を見出し、
その視点から賢治を分析しているのだ。
また、毎日新聞記者だった
米本浩二さんは、
『評伝 石牟礼道子 〜渚に立つひと』
という伝記を書いている。
新聞記者やテレビマンなど、
取材やインタビューを
仕事にしてる人は、
作家と信頼関係を結びつつ、
編集者とはちがって、
自在に評論するスタンスを
維持するところがあるから、
評伝を書き残せるのだろう。
私も、今を生きる文学者なら、
川上未映子さんがいいなあ。
川上さんに対して、
今のうちから、
インタビューを重ねたり、
評論を書いて、
川上さんの信を得ながら、
川上文学の評伝を書いてみたい。
しかし、私にはまだ
川上文学の本質が見えてない。
それに、
新聞記者やテレビマンではないから
いきなり取材させて欲しい、
インタビューさせて欲しいと言っても、
川上さん自身が戸惑われるだけだ。
この無料noteで、
川上未映子文学論を
書いてみたいんです、といったら、
引き受けてくれるだろうか?
そうだ、
アタックするのはタダなのだから
いっぺんチャレンジしてみようか?
そのためには、
本質を丸ごと分かる必要はなくても
せめて、本質の欠片を
私なりに仮説を立てて、
川上さんに面白いと思って貰えれば
もしかしたら、
万に一つ、インタビューを
引き受けてもらえるかもしれない。
そうだ、よし、
一度、チャレンジしてみよう。
ああ、なんか緊張するなあ。