マガジンのカバー画像

ロック名盤100

68
運営しているクリエイター

2024年4月の記事一覧

【ロック名盤100】#18 The Zombies - Odessey and Oracle

【ロック名盤100】#18 The Zombies - Odessey and Oracle

 今回紹介するのは、ゾンビーズが1968年4月にリリースした「Odessey and Oracle」だ。ブリティッシュ・インヴェイジョンのバンドの中ではやや影が薄い印象のあるゾンビーズだが、サイケデリック・ロック全盛期に1960年代のなかでも特に優れたアルバムを作り上げてみせた。カラフルなジャケットからもサイケな音色が予想できるのではないだろうか。
 ロッド・アージェントとクリス・ホワイトのソング

もっとみる
【ロック名盤100】#17 The Who - Who’s Next

【ロック名盤100】#17 The Who - Who’s Next

 今回紹介するのは、ザ・フーが1971年8月にリリースした「Who’s Next」だ。ザ・フーの5枚目のオリジナルアルバムにして最高傑作との呼び声高い名盤だ。前年に発表したライヴ盤「ライヴ・アット・リーズ」で見せたヘヴィなサウンドをスタジオで突き詰めて完成させた極めてハードな内容だといえるだろう。
 本作の特徴的なサウンドのひとつに、シンセサイザーとシーケンサーの導入が挙げられる。純然たるハードロ

もっとみる
【ロック名盤100】#16 The Who - Tommy

【ロック名盤100】#16 The Who - Tommy

 今回紹介するのは、ザ・フーが1969年5月にリリースした2枚組アルバム「Tommy」だ。60年代中盤からビートルズ、ストーンズらと共にブリティッシュ・インヴェイジョンを牽引していたザ・フーが挑戦したものは、ロックンロールとオペラの融合———「ロック・オペラ」なる作品の制作だった。ビートルズが「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」で提示した「コンセプト・アルバム」という価値観

もっとみる
【ロック名盤100】#15 The Rolling Stones - Exile on Main Street

【ロック名盤100】#15 The Rolling Stones - Exile on Main Street

 今回紹介するのは、ローリング・ストーンズが1972年5月にリリースした2枚組「Exile on Main Street」(邦題は「メイン・ストリートのならず者」)だ。ローリング・ストーンズのディスコグラフィの中では最も評価が高い印象のある大名盤。ただ2枚組ということもあってボリュームも多めなので、ストーンズの入門編には向かないかもしれない。
 本作についてよく言われるのが、「ストーンズのロック展

もっとみる
【ロック名盤100】#14 The Rolling Stones - Sticky Fingers

【ロック名盤100】#14 The Rolling Stones - Sticky Fingers

 今回紹介するのは、ローリング・ストーンズが1971年4月にリリースしたアルバム「Sticky Fingers」だ。「べガーズ・バンケット」「レット・イット・ブリード」からさらにルーツ・ロック/ブルース・ロック・サウンドをブラッシュアップさせ、ストーンズの最高傑作のひとつに数えられる名盤となった。ここだけの話、前の2作と同じくらい凄い作品で、だからこそ前の2作と語る内容がほとんど同じになってしまい

もっとみる
【ロック名盤100】#13 The Rolling Stones - Let It Bleed

【ロック名盤100】#13 The Rolling Stones - Let It Bleed

 今回紹介するのは、ローリング・ストーンズが1969年12月にリリースしたアルバム「Let It Bleed」だ。前作「べガーズ・バンケット」で見出したルーツ・ロック路線を地で行く内容で、僕はストーンズのアルバムの中では本作が1番のフェイバリットだ。
 グループは本作の制作途中にブライアン・ジョーンズが脱退し、その1ヶ月後死去という悲劇に見舞われた。グループは彼の後釜にジョン・メイオール&ザ・ブル

もっとみる
【ロック名盤100】#12 The Rolling Stones - Beggars Banquet

【ロック名盤100】#12 The Rolling Stones - Beggars Banquet

 今回紹介するのは、ローリング・ストーンズが1968年12月にリリースした「Beggars Banquet」だ。ブルース、R&Bに色濃い影響を受け、ビートルズと並びブリティッシュ・インヴェイジョンの旗手として60年代から活躍したストーンズ。前作「サタニック・マジェスティーズ」でサイケに血迷うも本作でブルース・ロック路線に回帰し、満を持して発表した名盤である。
 ストーンズが本作のプロモーションとし

もっとみる
【ロック名盤100】#11 The Beatles - Abbey Road

【ロック名盤100】#11 The Beatles - Abbey Road

 今回紹介するのは、ビートルズが1969年9月にリリースした「Abbey Road」だ。誰もが一度は見たことがあるのではないか、このジャケット。なんなら、音楽アルバムで最も有名なジャケットかもしれない。今でも、この横断歩道を渡るためだけにアビイ・ロードに向かう人は数え知れない。
 ビートルズの事実上のラストアルバムだ(正確には違うのだが、その話についてはややこしいので割愛)。69年1月にビートルズ

もっとみる
【ロック名盤100】#10 The Beatles - The Beatles

【ロック名盤100】#10 The Beatles - The Beatles

 今回紹介するのはビートルズの2枚組アルバム「The Beatles」通称”White Album”だ。まだまだヒッピー/サイケのムーヴメントが元気な1968年11月にリリースされた。しかし、逆にビートルズはサイケから脱却するような内容の作品を発表した。(その動きを見せたのはザ・バンドらの方が先。彼らはいわゆるルーツ・ロック志向のアーティストであり、本作は彼らから影響を受けた面もある)。ドラッグか

もっとみる
【ロック名盤100】#9 The Beatles - Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band

【ロック名盤100】#9 The Beatles - Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band

 今回紹介するのは、ビートルズが1967年5月にリリースしたアルバム「Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band」だ。長い間20世紀ポップスにおける最も偉大なアルバムとして評価されてきた正真正銘の名盤だ。
 その評価の所以は、アルバム全体で1つの作品を作るという発想である。本作は「ペパー軍曹のバンドがコンサートを行う」というコンセプトを持って制作されたもので、これが

もっとみる
【ロック名盤100】#8 The Beatles - Revolver

【ロック名盤100】#8 The Beatles - Revolver

 今回紹介するのは、ビートルズの7枚目のオリジナルアルバム「Revolver」だ。最近の評論において、ビートルズのディスコグラフィの中で最も影響力のあるアルバムなのではないかという話をよく聞く。ひとたび聴けばすぐその革新性がわかるのではないか。それにしてもこの音の新しさはすごい。1966年8月にリリースされたとは思えないほどだ。このアルバムではっきりビートルズはアイドルからアーティストに昇華したん

もっとみる
【ロック名盤100】#7 The Beatles - Rubber Soul

【ロック名盤100】#7 The Beatles - Rubber Soul

 今回紹介するのは、ビートルズの6枚目のアルバム「Rubber Soul」だ。1965年12月にリリースされた本作は、アコースティック色が強い仕上がりになっている。当時、地球上で最も人気なアイドルにしては哀愁漂う雰囲気を感じる。この時期のビートルズはジョン・レノンをはじめとしてボブ・ディランに傾倒していたということがよくわかるのではないか。
 「ノーヴェジアン・ウッド」でシタールが導入されたり、「

もっとみる
【ロック名盤100】#6 The Beatles - Please Please Me

【ロック名盤100】#6 The Beatles - Please Please Me

 今回紹介するのは、みなさん待ちに待ったであろうビートルズの1stアルバム「Please Please Me」だ。イギリスから彗星のように現れたザ・ビートルズは1963年3月に本作をリリースし、すぐさま本国のチャートを席巻。そこからは皆さん知っての通り、世界で最も人気のある4人として老若男女を魅了していくこととなる。彼らの後に続くのが、ローリング・ストーンズやザ・フーだ。ビートルズはイギリスのロッ

もっとみる
【ロック名盤100】#5 Buddy Holly & The Crickets - The “Chirping” Crickets

【ロック名盤100】#5 Buddy Holly & The Crickets - The “Chirping” Crickets

 今回紹介するのは、1978年2月にリリースされたバディ・ホリー&ザ・クリケッツの1stアルバム「The “Chirping” Crickets」だ。バディ・ホリーの存命中にリリースされた唯一のアルバムである。ザ・クリケッツが打ち出したギター2本、ベース、ドラムの編成は現代の基本的なロックバンド編成の基盤になっている。ロック史上で数ある重要なアーティストのなかでも特に彼らのもたらした影響は大きい。

もっとみる