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夢の絵本を作りました・2
絵を描くことが楽しい。1日30分だけでもいいから、下手だけど頭の中に浮かんだ絵を描きたい。
子どもの頃は毎日絵を描いていた。
大人になってそんな時間はなくなり、絵を描く楽しさもすっかり忘れていた。
今はいろいろなことがあって家の中にいる。その中で絵を描く楽しさを思い出した。
そんな私の子どもの頃からの夢「夢の絵本作り」2作目が完成しました!
(この絵本は、小牧さんのお話から、3人のnoterの3つの作品が繋がって出来ています。とても長い記事になりますが最後まで見ていただけたら嬉しいです。)
小牧幸助さんの1分ショートショート
「怪獣とおむすび」を読んで、また私の頭の中に絵が浮かんできました。小牧さんにお願いして、絵本を作り始めました。
こちらが原作の小牧幸助さんのnote
「怪物とおむすび」です。先ずはこちらからご覧ください。
・・・
「にゃんこ、今夜の絵本が決まったよ。一緒に読もうね」
表紙を開きます
「怪物とおむすび」
黄昏どき。茜色に染まった電車が走ります。混み合った電車には、空席がひとつ。
それは怪物が座る席のとなりでした。誰も横に座ろうとはしません。怪物のため息に驚き、周りの人が少し離れます。
電車は停まりました。
水色のポシェットをかけた少女が乗車してきます。人々の隙間を縫って、少女は空席の近くまで来ました。
怪物の鋭く紅い目と少女の目が合います。ポシェットを下ろし、少女はためらうことなく怪物のとなりへ座りました。
息を飲む乗客の視線を気にも留めず、少女は手を膝の上に置いて姿勢よく座っています。
「勇気あるな」と怪物。「何で?」と少女。「怖いだろう」「何が?」「俺の姿さ」「ひとは見た目じゃないってママが」
怪物は笑った拍子に腹を鳴らします。「お腹が減ったの?」と訊く少女。
照れる怪物。少女がポシェットから取り出したのはアルミホイルに包まれたおむすび。
「私の手作り。美味しいよ。ちょっと見た目は悪いけどね」
・・・
「怪物さんは、きっと少女のやさしさがとてもうれしかったんだろうにゃ」
「にゃんこ、このお話には続きがあるんだよ」
「続きも聞きたいにゃあ」
「にゃんこ、それじゃあ続きを読むね」
「怪物と絵本」
「美味しかったよ、ありがとう」おむすびを食べた怪物は少女に「ひとりでどこに行くんだ?」と聞きます。「弟のお見舞いに」と少女。「そうだったのか」怪物は少女が弟に差し入れするためのおむすびを食べてしまったお詫びに一緒にお見舞いに行くことにしました。
「ちょっとここで待っていてくれ」と怪物はお店の中へ入り、紙袋を持って出てきました。二人は病院へ向かいます。大きな怪物と少女が歩く姿を、すれ違う人々は不思議そうな顔で見ています。
「お姉ちゃん、今日は大きなお友達と来てくれたの?」少女の弟は嬉しそう。「今日はお兄さんからおみやげがあるんだって」「本当?なんだろう」弟は喜ワクワクします。 怪物は持っていた紙袋から絵本を出しました。少し緊張しながら読み始めます。
「シロクマたちの居場所…」
「シロクマたちの居場所」
それはとても温かくて優しいお話でした。
「ボクもシロクマさんみたいに、みんなが幸せになれるお話を作ってみたいな!」弟も少女も怪物も笑顔になりました。
・・・
「みんなのやさしさで笑顔が増えたんだね。母ちゃん、すてきな絵本を読んでくれてありがとうにゃ」
「これからもいろんなお話を読もうね」
「おやすみにゃさい」
「おやすみ」
「実はこのおむすびは入院している弟に
こっそり差し入れするものだったという裏設定があり、食べてしまったお詫びに怪物も一緒にお見舞いに行く気がしています。」(小牧幸助さんのコメント欄での「裏設定」より)
小牧さんに了承を得て、「裏設定」を元に私が続きのお話を作りました。1分マガジン参加の2作目として。
怪物が弟に読み聞かせした絵本は、小牧さんの「1分マガジン」の企画で、おとなのふりさんの書かれた「シロクマたちの居場所」です。
こちらの、おとなのふりさんの「シロクマたちの居場所」是非ご覧ください。
おとなのふりさんさんは「こころのなかを言葉に」されています。
「シロクマたちの居場所」は、シロクマを小牧幸助さんに重ねて作られたお話なのではないかと私は思いました。
そして、それを怪物が読むことで弟や少女、怪物も幸せな居場所を作っていくのではないかと。
・・・
今回の絵本は9/6から描き始めました。
続きのお話の絵を含め、26枚の絵と文章を描き、完成まで約1ヶ月かかりました。
「怪物とおむすび」の描写をどう描くか。「怪物」はどんな姿でどんな気持ちなのか。「少女」の優しさと弟を思う気持ち。どんな絵にするか、どんな色にするかずっと考えながら描いては直しました。
私自身が心身ともにいろいろあった辛い時期で、1日の中で絵を描く時間が少なかったのもありますが、コツコツ描いていました。
「裏設定」に気付いたのはかなり後でして、そこから続きのお話とその絵を描き始めました。
「1分マガジン参加作品」は121記事もあり、どのお話もそれぞれのnoterさんの個性と小牧幸助さんへの想いがあふれた素晴らしい作品です。
その中で「入院している弟に怪物が読んであげたい、と思うお話にピッタリ合うのでは?」と私が思ったのはおとなのふりさんの「シロクマたちの居場所」でした。
3人の作品が繋がって完成した絵本です。
小牧幸助さんの毎日書かれる「1分ショートショート」で読んだ人達が癒やされます。
そして、みなさまが書かれた「1分マガジン」で書く楽しみや読む楽しみを共有できました。
「1分マガジン参加作品」の、私の作った「怪物と絵本」の中で、
怪物がおとなのふりさんの「シロクマたちの居場所」の絵本を読み、少女の弟も「お話を書きたい!」と夢を持つことができたら良いなぁと思いながら絵本を作りました。
小牧幸助さんの小説は忙しい人も1分で読めて「明日も生きよう」と思わせてくれるステキなnoteです。そんな小牧幸助さんのnoteから生まれたマガジンや絵本。
noteだからこそ、できるステキな繋がりだと思います。
その中に私も参加することができ、励まし応援してくださるみなさんがいて、今こうしてこの私のnoteを読んでくださっているみなさまがいて、楽しくて幸せな時間を過ごせました。
・・制作過程です・・
一番初めのイメージラフ(9/6)怪物がベジータの頭をした妖怪にしか見えず、妖怪から怪獣になったり、怪物の絵を何度も描き直しました。
「人から怖がられる恐い姿を隠す、寂しさと切なさを感じる怪物」に。
こうして文章と絵を全て並べながら色塗りしていました。
段々と色付いてきます(9/30)
小牧さんのお話の絵を見ながら、続きのお話の絵も描きました。少女と弟の前ではフードで顔を隠さない怪物。
「裏設定」に気付き、更にお話や絵を考えて描きました。
10/5に描き終わり、製本が終わりました。
そして撮影し、noteをまとめ「夢の絵本を作りました・2」が10/7に完成しました。
・みなさまに感謝の気持ちを込めて・
絵本を描くことを了承してくださった小牧幸助さん。「1分ショートショート」1000話くらい、いやもっと読みたいです!ありがとうございます。
「シロクマたちの居場所」の記事を使わせてくださった、いつも素敵なお話を書かれるおとなのふりさん。noteでもTwitterでも応援してくださりありがとうございます。
Twitterやnoteのつぶやきで絵本作りを応援してくださったみなさん。ありがとうございます。
そして今、私のこの「夢の絵本を作りました・2」を読んでくださっているみなさま。ありがとうございます。
感謝の気持ちでいっぱいです。
みなさまにも小さな幸せと笑顔をお届けできたら嬉しいです。
・・・
「夢の絵本を作りました」1作目はこちらです。
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