ウォンカの物語はずっと可愛くて応援したくなる
2023年 12月8日から公開中の映画
「ウォンカと
チョコレート工場のはじまり」
天才ショコラティエ
ウィリー・ウォンカが町を牛耳る欲深い大人達から才能を妬まれながらも困難を乗り越えてチョコレート工場をオープンするまでのストーリー
冬の寒さが進む中、温かいホットチョコレートみたいに甘くて幸せな気分になれる作品
必見です。
注)ネタバレがあります。
ひたむきなチョコレートへの愛
主人公ウィリー・ウォンカがとにかく可愛いです。ずーっと可愛い。
出立ちそのものが妖精の国から現れたかのようなファンシーな装いで、とてもお金に困っているようには見えないお洒落さん。大好きなチョコレートを作り皆んなに食べてもらいたい、そんな彼の純粋な気持ちは欲にまみれた町の幹部達に阻まれてしまいます。そんな中、ウォンカの魔法を信じる少女ヌードルに出会ってから物語が動き始めて「運」が向いてくるのです。ウォンカに協力する味方が少しずつ増えていき、絆を深めていく。一人では成し得ない事でも複数人が集まれば知恵と勇気で乗り越えられるはず。
ウォンカとヌードルが率いている仲間は、かつて街の幹部や客を騙してお金を巻き上げる宿屋の主人らに冷遇されてきた人達
そう、ウォンカの気持ちを一番分かち合えるのは彼らなのです。
ウォンカが仲間と力を合わせてショコラティエとして夢を叶える姿が愛おしくなります。
キャストが豪華!ウンパルンパを演じるのはロマラブの帝王ヒュー・グラント
キャストが豪華です。
主人公ウィリー・ウォンカを演じるティモシー・シャラメは「プリンスオブハリウッド」の異名を持つ俳優。チョコレートのように甘いマスクと笑顔で出迎えてくれます。その他、意地悪い宿屋の女主人はオリビア・コールマン。アカデミー主演女優賞を受賞した「女王陛下のお気に入り」の人物と判別するのに時間がかかるくらい別人でザ・貫禄女優!心優しいウォンカにも容赦なく詐欺行為をはたらき暴れてくれます。また、ミスタービーンでお馴染みのローワン・アトキンソンが謎に満ちたチョコレート中毒の神父を演じていて笑えます。悪役であっても漏れ出る「ビーン臭」で憎めません。
投稿主が一番驚いたキャスティングはヒュー・グラントが演じるウンパルンパでした。驚きました!
ヒュー・グラントといえば「ロマンティックラブの帝王」です。「ノッティングヒルの恋人」での甘い演技は永遠...そんなヒュー様がどうした事でしょう。顔はオレンジ色、髪はグリーン、瓶の中でウンパルンパダンスをするのです。
もう釘付けでした
ウォンカよりもウンパルンパに!
ユニークなダンスは振り付けが簡単で皆んなで真似したくなります。
ティモシー・シャラメとヒュー・グラントは今作品のプロモーションのために来日しています。貴公子オーラを放つ二人は語彙力が追いつかないくらい品に満ちていました。嬉しいお知らせは「日本が好きだ」と言ってくれたこと。特にヒュー・グラントは「今はどの都市も似たような雰囲気になっているけれど日本は神秘的なものを持っている」というような内容をインタビューで話してくれました。
日本古来から続く伝統、魅力を世界的スターが語ってくれるのは感謝しかありません。
優しく可愛いウォンカvsエキセントリックなウォンカ
今作品の製作はハリポタシリーズでお馴染みのディビット・ヘイマンです。ハリー・ポッターシリーズを彷彿させる魔法風味のシーンが所々に散りばめられているのでハリポタファンにはおすすめです!ロアルド・ダール原作の「チョコレート工場の秘密」は時代を越えて愛される名作であるため、今までに何度も映像化、舞台化されています。一番記憶に新しいのは2005年に公開された映画「チャーリーとチョコレート工場」でしょう。ジョニー・デップの怪演と映像美、一度聞いたら忘れないポップな音楽全てが奇天烈でインパクトが大きかったことを覚えています。DVD、CDを購入して「ウォンカの世界」に魅せられたのはこの作品でした。そのため、チョコレート工場の秘密に関するコンテンツでこれ以上を越えるのは中々難しいのではという思いがよぎりました
しかし...
どちらもいい!!
これが両方を鑑賞した身としての感想です。
今作品は魔法仕立てのウォンカワールドなので、可愛いウォンカを応援せずにはいられなくなります。風船で空を飛んだり歌ったり踊ったり、ミュージカル調であるところは少し賛否が分かれるようですが音楽がウォンカの世界に寄り添えていると思います。(個人的に、音楽は2005年版が神作品です。)
ティム・バートンが紡ぎだすウォンカはエキセントリックで孤高の天才ショコラティエでした。レシピを盗まれて絶望したウォンカは人を信用していません。加えて、厳しい父親にハードな矯正器具を装着される虐待めいたエピソードがトラウマとして描かれています。
一方、今作品は「そうなる前」のお話なのです。
ひねくれる前のウォンカを描いている
監督ポール・キングは公式インタビューでこう話しています。
このウォンカは、ピュアで滑稽で魅力的な青年だからエキセントリックなウォンカと印象がだいぶ異なります。仲間と助け合う協調性も持ち合わせているので「真っ直ぐな人」が夢に向かって頑張っています。
演じている俳優も違い、世界観も異なっているため一見ウォンカの人間性に乖離があるように思えますが、共通点があります。
チョコレートへの愛
これだけは変わりません。身を立てて工場長になり世界中に美味しいチョコレートを届ける仕事
売り上げが伸びてウォンカチョコレートの知名度が上がり工場の規模が大きくなればなるほど、自分の手が行き届かなくなる現実は、まだ少し先の未来
美味しいチョコレートを届けたい
夢を叶えるまでの努力
夢を叶えてからの忍耐
この違いこそ、ウォンカが別人に見えるカラクリです。
人はずっと同じ場所にいるようで変化している生き物だと思います。
育った環境や出会う人との相性で良い人に見えたり悪ぶって見えたりもします。
その人が優しくて可愛いで溢れていたら、それはきっと「良い人に囲まれている、相性のいい人と付き合っている」証でしょう。
2つのウォンカを鑑賞してたどり着いた世界
ホリデーシーズンにおすすめの映画です♪
Junko Summer