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『Love Letter』(1995)を初めて見てみたら私にとっての中山美穂とは、を考えさせられた話

韓国人YouTuberイキテルさんの「イキテルTV」で日本の電車に初めて乗ったゲストの韓国男子高校生たちが「乗り心地がよくて、このまま乗って家に帰りたい」「韓国とつながったらいいのに」と言っていたのがじわじわきてるじゅんぷうです、こんにちは。

韓国語の先生と映画の話を時々するのですが、先生の〈人生映画〉として必ず挙がるのが日本映画『Love Letter』。1995年の作品で、もちろん知ってます。岩井俊二監督、中山美穂主演。見ていません。

1995年といったら『ガメラ 大怪獣空中決戦』(中山忍だ)に『レオン』、香港映画も大豊作だったし、アクションもバイオレンスもないラブストーリーなんてと、あえて見ない類の作品だったと思います。

日本のエンタメが1998年に解禁になった韓国ではこの映画は1999年公開だったそうで、大ヒットしたという情報は認識にありました。自分は見ていないけど、韓国の人たちはこの手のが好きなのか~と思っていたんです。

何度か再上映されているほど人気

あれから30年近くも経って、30代の韓国語の先生が〈人生映画〉だとアツく語り「毎年この季節になると見たくなる」「今年もそろそろ見ないといけません」と言うではないですか。え、そうなの?うちなんて毎年この季節になると『ホームアローン』が始まるというのに。今年もそろそろケビンに会わないと。と思っていたら『Love Letter』、Netflixにあるではないですか。『タイタニック』の例もあることだし、ついに、見てみました。

2年前に登山中の遭難事故で亡くなった婚約者・藤井樹を忘れられない博子。彼が昔住んでいた小樽の住所に、届くはずないと思いながら手紙を書く。その手紙は、婚約者の同級生で同姓同名の女性・藤井樹のもとに届いていて…

1995年、まだSNSなどなくメールもパソコンではできたっけどうだっけ?かといって、手紙が主流という時代ではありませんでした。ポケベルが鳴らなくてのころだから。私も「あえて手紙」というノリで時々楽しんではいましたけど、連絡手段というわけではなかった。だから、文通での交流が主軸にあるこの映画を、豊川悦司演じるアキバさんが言うように「けったいなもん」だと避けてきたのだと思います。

中山美穂が二役を演じる博子と樹というふたりの女性。29年前のショートカットの中山美穂の見慣れなさと、雪景色の神戸と小樽という舞台の見慣れなさ加減が、今の私に不思議な感覚をもたらしました。近くて遠い韓国作品を見る感覚?

いやいや、逆だ。韓国の人たちがどうやって見ているか、韓国語だったらどう訳されたのか、どこに感動するのか、自然と韓国の人たちの目で見ていた気がする。この年月の間に、もはや私の中で一体化してしまいました。『青い珊瑚礁』も、ニュジのうんと前にここで刷り込まれていたんじゃないですか。今の韓国の人たちが言うところの「日本の感性」ってここが原点かもしれません。

そしてミポリン、であります。『ママはアイドル!』でアイドル中山美穂を演じた、そのときの劇中での愛称ミポリンがそのまま定着したんですよね。あらためて出演作調べて何がびっくりしたかって、1985年『毎度お騒がせします』から1992年『誰かが彼女を愛してる』まで、ゲスト出演と大河を除いたミポリン主演の民放連続ドラマ13本、私、全部見てました…!!映画も『ビー・バップ・ハイスクール』最初の2本に『どっちにするの。』『波の数だけ抱きしめて』までは見てる。完全に1992年あたりで幕を引いたんですねえ。

ビーバップはヒロシとトオルだけど、こんなにも主演作を見ている人って、ほかにいませんよ。金田一耕助シリーズとかも別として笑
ティーン向けドラマからトレンディドラマ、そして純愛ドラマへと、それだけ主演を張りつづけてきたミポリンもすごいけど、私ってそんなにミポリン好きだったのか…。たしかに第二黄金期とも言える85年デビュー組の中にあってもおしゃれ番長的スタンスのミポリンのバッグの中身拝見♪とかガン見してましたが。

何がすごいってミポリンは女優ってだけじゃないってこと。女子中高生はもれなくミポリンの歌を歌ってましたよ。『クローズ・アップ』はサビの部分を♪ブロー剤、ブロー剤ブロー剤ブロー剤~と替え歌しながら教室でくるくるブラシでブローしてたし、『色・ホワイトブレンド』は「夜ヒット」のオープニングメドレーで舘ひろしが歌詞とんじゃって即興作詞してたのが忘れられないし、『ROSECOLOR』で資生堂ロゼカラーのリップ買ってたし、カラオケでは『JINGI・愛してもらいます』『CATCH ME』『You're My Only Shinin' Star』。ザ・歌謡曲×ユーロビート調もミポリンのキャラに合ってて『WAKUWAKUさせて』なんて一生ワクワクするし、小室哲哉や角松敏生とのマッチングは同じ時代に生まれてありがとうと言いたい…やっぱり私そんなにミポリン好きだった?今も何かにつけて「やっと逢えたね」って言ってますしね。

うちの子どもたちにとっては2017年に『世にも奇妙な物語』に出たときの「ラップかあちゃん」がミポリン。

失われた時を求めてふたりのミポリンが彼の、自分の思いに気づく『Love Letter』を見たことで、私も思いがけず過去の自分の思いに気づいたのでした。ラストで泣いたって、先生にお伝えしなきゃ。

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