見出し画像

これまでの仕事の話②保育士

私は大きな声で「保育士していました!」とは言えないほどなのだが、保育士をしていた経験がある。

今回は、保育士について振り返ってみようと思う。


いきなり0歳児の担任

学生の頃に保育園や幼稚園、施設などさまざまな場所に実習に行く。
そのなかで、まだ経験していなかったのが0歳児だった。

面接でそのことを伝えたのにもかかわらず、いきなり0歳児を任されてしまう。
しかも、担任だ。
初めは副担任から任されることが多いと思うのだが、私の場合は担任だった。

副担任についてくれた方は、気の強そうなベテランのパートさん。
口調もきつく、わからないことがあっても簡単には聞けない雰囲気だった。

常に目が離せない

私のクラスには2人の男の子がいて、1人はおすわりやハイハイができるが、もう1人はおすわりさえ危うかった。
常に目が離せない状態で、お昼寝の時間もうつぶせ寝になっていないか、呼吸が止まっていないかチェックする。

ごはんの時間は2人交互に食べさせるのだが、なんだか雛鳥にエサをあげているような気分になってしまっていた。
2人を食べさせ終えたら、やっと自分のごはんの時間。
この間も、食べながらずっと目が離せない。

常に神経が張りつめている状態だった。

休みがない

仕事は月~土曜日までの週6勤務で、土曜は月1ていどで休みになる。
貴重な休みの日曜日も、翌週の活動予定を考えたり、制作をしていると終わってしまう。

まだ0歳児なので一緒に作ることは難しく、制作はほぼ私が作っていた。
こうして思い返してみると、休みの日も仕事のことばかり考えていて気が休まるときがない。

仕事内容もハードで、毎日10時間くらい(+残業も)働いていた。
休憩時間には、会議が入ることが多い。
休憩があっても、子供を見ながらお帳面を書いている。
そのため、休憩はほぼない。
若かったから平気だったが、今は絶対に無理だ。

私が働いていた園は行事予定が変わっていて、運動会の翌日に遠足(しかも遊園地…)というスパルタ行事もあった。
休みもなく、子供にとってもハードだったのではないかと思う。

かわいい双子

ほかの年齢の子供たちと接することは少なかったのだが、なぜかとても懐いてきてくれた子たちがいた。
4歳の双子の男の子と女の子である。

特に、男の子がとても懐いてくれて、私を見つけると「先生ーー!」と元気に駆け寄ってきてくれた。
目がくりくりと大きく、見た目にもとてもかわいい子だった。

あれから21年経っているので、今は25歳…!
甥っ子と同じ歳くらいだ。
さぞかしイケメンになっているに違いない。

新人いびり

当時、新しく入社したのは私だけだった。
保育士は女性のみ、園長や主任も女性で、すでに仲のいいグループができあがっている。

ほかの先生と馴染むこともできず、同期もいない私はいつもポツンとしていた。
一匹狼でいる先生を見つけ話しかけたが、やはり馴染むことはできなかった。

それでも気にせず頑張っていたが、新人いびりにあうようになる。
挨拶しても無視は当たり前、返ってきても笑顔がないと言われる。
わからないことを聞いても「調べればわかるやろ」の一言。

挙句の果てには、「先生、猫かぶってるやろ?」とまで言われた。
どうしてここまで言われないといけないのか?
「そりゃ初めは誰でも猫かぶってるわ!」と思ったが、何も言わなかった。

出勤前になると、胃が痛くなるようになっていた。

辞めることを決める

会う人会う人から「痩せたね~」と言われる。
ごはんは食べているのに、体重が2ヶ月で6kgも減ってしまっていた。

子供の前では笑顔でいないといけないのに、だんだん笑顔でいるのも辛くなっていた。

ある日、「もうダメだ」とプツンと糸が切れて辞めることを決める。
「このまま続けていたら、自分が壊れてしまう」と感じた。
辞めたことは後悔していないし、むしろ早く決断してよかったと思っている。

保育士は子供との関係、保護者との関係、先生たちとの関係…と人間関係がとにかく大変だ。
仕事内容もハードなので、体力がないと続けられない。

長く続けている方を、心からすごいと思うし尊敬する。
そして、子育ては本当に大変だ。
いつも頑張っているお母さんや奥さんに、感謝の言葉をかけてあげてほしい。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?