『夢十夜 第一夜』を読む。考察、感想③
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夢十夜 第一夜 第三弾です。前回は女性が亡くなったところで終わっています。今回はその続きから。出典は変わらず、夏目漱石 夢十夜 (aozora.gr.jp) さん。
約束していたことをやり始めましたね。まずは穴を掘るところから。でも真珠貝ってそんな家に普通にあるものなんだ。買ってくるとかではなく?飾り物なのか、何なのか。もしかしたら二人の間で真珠貝といえば、”あの”真珠貝という共通の何かがあったのかもしれませんね。
月の光の描写と、匂いの描写で、作業の生々しさをここまで描けるの、すごいと思う。たった一行で臨場感が生まれる。
掘れたの!?!?!?!?!?!?すごくない?かなり重労働じゃない?貝殻で人一人が入れる大きさの穴掘るの。かなり土が柔らかくないときついし柔らかくてもきついよ。H×Hの念能力使った?
これ女を運ぶのも割と重労働な気がする。いや当時の成人男性がムキムキだった説あるけど。すげえや。
そして土をかけると。真珠貝の裏に月の光が差す描写、いいですね。動きが想像しやすい。
約束の二つ目。星の破片(かけ)。真珠貝と星の破片、やはりお洒落すぎる。埋葬して少し心の整理がついたのか、胸と手が少し暖かくなっていますね。
約束の三つ目。あとは百年待つだけ。百年。あまりにも長いですね。待つという行為は、時間がなかなか過ぎない行為であり、本当に長く感じる気がする。とにかく赤い、紅い陽が、彼女の言ったように昇っては沈む。
やっぱり、待つという行為は苦痛で、何回数えても、何回数えても、百年は来ない。大体365日×100年なんて、Dr.Stoneの千空でもないのに、数えられるわけがない。墓石にも苔が生えはじめて、女を疑い始める。
なんか百合の花がにょきにょき生えてきましたね。そしてつぼみが開いて、鼻の先に徹えるほどの匂いが。
………なんかエッチじゃない???だって女性の象徴が花で、そのつぼみが’ふっくら’と開いて、徹えるほどの匂いって。えっちっち。
ほら!!!!露って!!!やっぱえっち!!!!
……えっち禁止!!!エモ!!!!!いやエッチだったことに変わりはないんだろうけど。でもこの接吻はなんかエッチじゃなくて、どっちかってとえもって感じだな。
…綺麗だ。いいですね。今までは陽が沈んで昇ってることしか興味なかったけど、他のところにまで目が行って、結果として彼女?を見つけることができた。
いいですね、この結びも。来ない来ないと思っていた100年は、彼女は、気づけばもう来ていた。
これ、どうなんでしょうね。逢いに来るって言ってくれてたから、少なくとも百合は彼女で、そのあとの暁の星も彼女なんだろうか。”たった一つ”っていう描写に、自分と彼女の訣別を感じる気もするし、いつでも隣は空いていますよ、という意味にも取れる気もする。
ということで夢十夜 第一夜でした。久々に読みましたけどやっぱり切なくて、空気がひんやりしていて、いい話ですね。特に季節の描写とかないけど、絶対に暑くはなさそう。(あれ、明けの明星って見れる時期決まってたっけ→一応1月から9月らしい。逆に秋じゃないんだじゃあこれ。)
夢十夜、読み直すとき、一夜から読み直して途中で離脱しがち。なので1話は割と覚えてたかも。楽しかったです。
追々二夜もやると思うんですが、次何やるかは不明。ごんぎつねとかやりたい。
以上、夢十夜 第一夜でした!お読みいただきありがとうございました!
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