校長先生、ありがとう!

ある日の夕方、C子君が真っ青な顔をして塾にやってきた。今家出をしてきたという。とりあえず自宅に連れて帰り家内も交えて事情を聴くことにした。彼女は中1の最初から塾に通っていた。思ったことははっきり言うリーダー的存在だった。今高2だが、ひどいイジメにあっているという。なぜ家出なんだと聞くと、もう学校には行きたくないという。せっかく有名進学校に入学できて大学進学を目指すと張り切っていたのに・・・。
きょう思い切ってお父さんに事情を話したそうである。ところがお父さんの反応に落胆したという。「いじめられるというのはお前にも問題がるからだろうが。」「お前はほかの人が勘に触るようなことを言うことがあるぞ。」「反省しろ。」だそうである。明治時代の頑固おやじもそこまでは言わなかったんじゃないかと思ったが。普通こういう場合、父親は学校に怒鳴り込むものである。しばらく3人で話しているとき、当のお父さんが母親と一緒にやってきた。まだ怒っている。「お前は塾にまで迷惑をかけるつもりか。」である。無理やり連れて帰ろうとするが、本人が頑として動かない。とりあえず今晩はあずかりましょうかと両親を説得して、でも結局3か月間もあずかることになってしまった。
男の子のイジメは暴力的になりがちだが、女の子の場合は陰湿で表に現れにくい。例えば、体育の授業で、2人・3人など組になって活動するとき、一人だけのけ者になるように仕向けるのだそうである。中にやさしい子がいて助け舟を出すと次にはその子がイジメにあう。いじめグループは6~7人で計画を練って実行するという悪質極まりない女子高生群。そんな子たちが本当にいるのか?とあまりのことに疑ったくらいだ。中心にいるのは町の有力者の娘だそうである。きっと自分の容貌に自信がないからだろうというと、さにあらず、ミス○○高レベルだそうである。おいおいどうなっているんだ?よくみるとC子がナンバー2かもと思い合点がいった。そのうちC子も落ち着いてきたように思われたので、校門まで送っていった。しかし1時間目が終わると泣きながら、走ってくるではないか。これは私の力では無理だと判断して、校長先生に相談に行った。この校長が行動力のある人だった。いじめグループの親を呼んで話し合いがもたれ、なんとか解決した。
こんな校長もいらっしゃるんですよ!

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