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考える型を身につけるべし〜世界で一番やさしい考え方の教科書/榊巻 亮

今年読んだビジネス関係の書籍で暫定ナンバーワンの本書。
自分が実行できているかの点検の意味も込めて再読しました。
改めて、素晴らしい本なのでご紹介w

(対象)

・若手〜中堅の考えることに苦手意識のある社会人
・研究に励む学生
・部下に「もっと考えてよ」と思うものの、具体的にどうやって指導すればいいか悩んでいる管理職

(本書を読んで得られるメリット)

・考える型が身に付く
・型が身に付くことにより再現性が生まれ、効率的に改善できる。イコール、成長速度が上がる
・考え方を指導する際に、明確に言語化して伝達できるので部下の成長速度が上がる

(要約)

ストーリーとしても面白いですが、本書を通じて読者が身につけるべきは、考え方の流れ。抜粋すると以下の通りとなります。

1 認知
 ・言葉の認知
 ・状況の認知
 ・意図の認知
2 思考
・問いを書き出す
 ・問いの答えを考える順番をつける
・答えを書き出す
 ・(答えに対して)なぜ?具体的には?で深めていく

3 行動
 ・人に話す、相談する
 ・情報を集める
 ・休む


自分の経験、そして周りのできる人・できない人を観察していると、特に太字で書いた,
・問いを書き出す
・答えを書き出す
・なぜ?具体的には?で深めていく
特にこの3つのプロセスが意識的にできているか否かが重要かなという印象です。

本書でも、アドバイザー的役割の主人公の父親はこんなことをいっています。

書かないで思考をしているときは脳みそが停止していて悩んでいるだけだと考えてもらいたい。文字こそ思考。形になったものこそ思考だ。

p153

自戒の念も含めですが・・・安定的に生産性が高い人と、時々はいい資料を作って成長したなと思ったら、その次のものがグダグダになっていたり、安定感が欠ける人がいます。後者について、なんでケースごとにこんなにパフォーマンスが異なるのだろうと疑問に思うことがありましたが、本書を読んで、理解できました。
それは、「問いと答えを書く(言葉にする)」というプロセスを行っているかどうか。

というのも、そのプロセスを行わないということは、場当たり的・モグラ叩き的に毎回、場当たり的に思考をすることになります。すると、思考=自分のたてた問いとそれに対する答えがたまたま良ければ質の高い仕事になり、悪ければ自ずと質が下がります。すなわち、再現性(型)がないので、パフォーマンスにばらつきが出てしまうというわけですね。

一方、面倒でも紙に書き出すことを繰り返していると、仮に1回目でうまくいかなかったとしても、自分の問いの立て方、もしくは答えのどこがどう悪かったのかというのが明確にわかるので、回数を重ねるごとに思考の質が高くなっていくわけです。このループに入れれば、成長速度も加速していくのは容易に想像できますね。

で、自分の周りの仕事ができる人を見ていると、確かに紙に書くことが習慣化できている人が多い気がします。反故だったり、ノートだったり、ipadだったりと道具はバラバラですが、やはり意識的に書く行為を継続的に行なっています。

自分は偏差値も高い学校も出てるし、そんなこと頭の中でできてるわい!と思っている人こそ要注意です。自分もそれなりの進学校を出て、旧帝国大学に入学、博士課程まで修めましたが、やっぱり考える際に紙とペンは必須です(もしかしたら自分の頭の性能のせいだけかもしれませんが)
本書に書かれている流れを全部するのは面倒だ、という方も是非問いと答えをメモ程度に書いてみるというところからスタートしてみてはいかがでしょうか。仕事のパフォーマンスもだいぶ改善するかと思います(体験談)
著者の榊巻さんの著作は、見た目こそとっつきづらさがありますが、どれも超高クオリティ。本書を含め、以下の2冊も自分の部下全員に配布したいレベルです。
おすすめ!


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