(本)世界で一番やさしい考え方の教科書/榊巻亮
物心ついた頃から自然とやっている、「考える」という行為。
インプットからアウトプットを生み出す時の、処理の部分。
自分の抱えている問題・課題の解決策を探る行為。
本書を読む前は、なんとなくそんな解像度粗めのイメージを持っていました。
本書は、その言語化が難しい「考える」方法をわかりやすく言語化し、具体的なアクションにまで落とし込んでくれた稀有な1冊。
毎回ですが、榊巻さんの書籍には驚かされるばかりです。前作、前々作も素晴らしいですが、難しいことを平易な言葉でわかりやすく説明するのが一番難しい。
お世辞抜きで、大学生なり新社会人の必修科目にしたい1冊です。
本作もこれまでの作品と同様、主人公 鈴川葵が神コンサルの父 義経からアドバイスを受けながら考え方を身につけていくストーリー。
明確に意識できている人はほとんどいないような気もしますが、考えるとは
①認知
②思考
③行動
の3つのプロセスから成り立っています。①認知、③行動については「?」という方も多いかもしれませんが、①=正確に相手の課題・発言を理解すること、③=思考が足踏みしたら、停滞を防ぐために動くこと、という意味合いです。
メインの②思考について少し掘り下げてみたいと思います。
思考の4ステップ
何か考える時、多くの人は脈絡なく思いついたことから手当たり次第、解決策を探し出してしまっているかと(自分もそうでした・・・)。でも、できる人は系統立てて思考をしている。
STEP1 問いを書き出す
STEP2 考えるべきことに順番をつける
STEP3 問いに対する答えを出す
STEP4 具体的には?なぜ?で思考を深める
が思考の4ステップになります。
よくやってしまうのが、STEP1の途中でSTEP3に飛んでしまうこと。
大学生なり会社員の方は、上司に指摘され「全然そんなこと考えてなかった・・・」という経験のある方、少なくないのでは。
STEP1を踏むことで、そういった冷や汗をかく機会を確実に減らすことができます。意識的に問いを出してみる、自分の考えうる全部の問いを出し尽くしてみる。
そうした上での指摘であれば、仮に指摘されたとしても「新たな視点の獲得」する機会となり、成長にも繋がりますね。
また、本書で印象的だったのが次の一節
榊巻さんの著作を見、A4の反故に「手を使って考える」ことを習慣化してから、明らかに考えるスピードと質が上がったことを実感しているところです。
思考の4ステップも重要ですが、まずどうしたら良いか?と悩む場合には、紙に書きながら考えてみるということを習慣にすることをお勧めします。
実際に自分の考える力をUPさせるのに有益なのはもちろん、言語化されることで自分の弱点にも気づくことができ、他人にも方法をシェアできる。
部下を持ってる方の中には、きっと「もっと考えて」といった内容の発言をしたことがある人は少なくないはず。そういった人も読む価値あり。どうやって考えるの?を明確に人に伝えられるようになります。
おススメ!