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(2)返報性に気をつけろ〜影響力の武器/ロバード・チャルディー二

引き続き、影響力の武器を毎日コツコツ読んでいます。

本書、「名著」として紹介されることも少なくなく、タイトルを聞いたことがある人もいらっしゃるかと。
自分も、10年近く前に読み、内容がすばらしいので改訂版を買い直したくらいです。ちなみに、自分が持っているのは第3版で、現在はもう一つ新しいバージョンが販売されているそう。

本日、返報性の章を再読したので、その内容と実生活への応用方法について簡単にご紹介したく。

返報性とは何か?

「返報性」。これは、何かをもらったら、お返しをしなければという気持ち、つまり「恩返し」の心理を指します。

例えば、誰かにプレゼントをもらったら、お返しに何か贈りたくなるでしょう。
何かをもらったらお返しをする、といわれると当たり前すぎて何も疑問に思いませんが考えてみると別にもらったからと言って必ずしも返す必要もないわけです。

でも、我々は小さい頃からの親の躾なり、もらったら返すのが当たり前というある種の一般常識により、施しを受けたら返すことが当然のように感じます。
本書によると、これは文化的なものではなく、人間が集団で生き残るために必須な性質だったとのこと。
自分が何かを差し出せばお返しをくれる、という暗黙の了解があってこそ、例えば狩猟により得た獲物を集団で共有したりできるわけですね。

なので、人間の本能とも言うべき性質、とも言えそうです。
それゆえ、めちゃくちゃ強力です。

実際どう使われているか?

普段、返報性なんて言葉を使う機会がないので、自分には関係ないと思ってしまいますが、非常に多くの場面で使われています。例えば・・・

  • 無料サンプルの提供:スーパーマーケットなどでよく見かける、食品の無料サンプル。少し味見するだけで、その商品を買いたくなるのは、返報性の力が働いているからです。

  • 試食販売:食品の試食販売も同様です。実際に試すことで商品の良さを実感し、購入につながりやすくなります。

確かに、試食すると何も買わずにその場を立ち去るのはなんとなく心苦しいというか気持ち悪いですよね。あの気持ち悪さを生み出す源泉が返報性というわけです。

穿った見方をすると、デートで女性にご飯を奢ったりするのも、(人によってはですが)返報性の効果で次のデートに繋げたりする戦略、とも言えます。

で、この返報性、試食や無料サンプルといったようなモノに限りません。
言葉や譲歩など、目に見えないものについても強力に作用してます。

超強力なドアインザフェイステクニック

ドアインザフェイステクニックとは、まず大きな要求をし、断られた後に、本当に求めている小さな要求をするというテクニックです。大きな要求を最初に提示することで、その後の小さな要求が相対的に小さく感じられ、受け入れてもらいやすくなるというテクニック。

大きな要求を出して断られる、というのが1つの譲歩になり、2つめの小さな要求を飲んでもらう可能性を飛躍的に高めることができます。
ちなみに、1つめの要求と2つ目の要求との差を大きくすると、コントラストの原理が働いて、より受け入れてもらいやすくなります。

思い返してみると、セールスなど多様な場面で応用されてます。

自分の身を守るという観点からも、ぜひ、返報性という強力な影響力があることを知っておくとよいと思います。


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