今後会社の価値を高めるには
現在会社経営に携わっている、又は今後、新しい事業やプロジェクトを立ち上げたり、起業する方にとって考慮すべきことは、「有形資産」より「無形資産」をいかに増やすことではないでしょうか。
特に今後、国内市場の大幅な縮小とボーダレス化がますます進展していく中、グローバル展開は避けて通ることはできません。
グローバル展開をする上でも、無形資産を重視せざるを得ません。
また、企業投資や株式投資する方にとっても、今後、「有形資産」より「無形資産」が重要な判断材料になります。
有形資産と無形資産の違い
有形資産とは、文字通り、土地や建物等形の有る資産。
有形資産
・土地、建物等の不動産
・機械等設備
・原材や商品
・現金や株式
一方、無形資産とは、データやブランドといった形のない資産。
無形資産
・ブランド
・データ
・独身のノウハウや技術
・権利、特許、商標権
何故、無形資産が大事なのか
日本は、まだ変わっておりませんが、アメリカはじめ欧米では、企業価値を図る基準が根幹から変わってきています。
だからこそ、有形資産より無形資産が重視されているのです。
特に、アメリカではリーマンショック後、有形資産を重視する財務諸表のみで企業価値を判断するのは危険とされるようになりました。
欧米では、企業価値を判断する際、財務諸表には、必ずしも顕在化されていない無形資産を把握することが大事とされています。
実際、アメリカの上場企業の株価指標では、有形資産の占める割合が年々減り、今では無形資産が占める割合が有形資産を遥かに超えています。
日本の上場会社の時価総額の内、有形資産と無形資産が生んだ価値の比率は、日本が有形資産:無形資産=85%:15%に対し、アメリカは、真逆の有形資産:無形資産=16%:84%です。
日本では、相変わらず有形資産を重視する傾向が強く、このことが日本がグローバルな舞台で経済的に競争力を失っている大きな要因の一つなのかもしれません。
もちろん私には、真意は分かりませんが、おそらくエイベックスや電通等が自社ビルを売却しているのも、一部メディアが報じているように決してコロナによる業績悪化によるものではないと思います。
むしろ、今後の有形資産に対する評価の変移を見据えた上で無形資産への注力という、極めて戦略的でかつ、ポジティブな要因によるものだと思います。
無形資産経営とは
今後、自社ビルを保有して、機械設備と社員を多数抱え、財務表の有形資産を重視する前時代的な経営は、オワコンです。
今後は、自社ビルを持たず、何億を稼ぐ大手企業でもシェアオフィス、フルリモートが通常になるでしょう。
また、AIをフルに活用して社員を極端に少なくすることで固定費をトコトン圧縮する。
もちろん機械等の設備は保有せずにリースにする等、いわゆる「無形資産経営」がスタンダードになっていきます。
無形資産経営の最大のメリットは、生産性の最大化。元々、日本の会社は、年功序列的なヒエラルキー型の組織が要因で欧米に比べて圧倒的に社員の生産性が低い。
今後企業価値を高めるには
GAFAの圧倒的な時価総額は、膨大なデータや特許を取得しているテクノロジーのおかげ。
GAFAの時価総額は、あくまでも無形資産が基盤となっており、決して有形資産とは関係がありません。
日本の一般会計の概念の無形資産とは、借地権や電話加入権になります。しかし、今後企業が注力すべき無形資産は、下記の3つです。
1.知的資産
経営理念、人的資産、独自技術等
2.知的財産
ブランド、独自ノウハウ等
3.知的財産権
著作権、特許等
このことを考慮して今後、日本の企業がグローバルスタンダードで企業価値の向上を図るには、今後、以下の3つが重要なポイントになると私は、思います。
1. 有形資産ではなく、無形資産を増やす
2. 社員を極端に少なくし、AIをフル活用して、圧倒的に生産性を高める
3. ESGへの積極的な取り組み
ESGとは…
・環境(Environment)
・社会(Social)
・ガバナンス(Governance)
企業ガバナンスを徹底的に高めることでクリーンな会社を目指すのは、当たり前。
その上、SDG's等温暖化や地球環境への高い配慮と女性役職者登用等多様性への対応、ハラスメントの徹底した排除と取引先や社会に対するフェアな姿勢。
この流れの中で今後AIは、間違いなく多くの仕事を奪うでしょう。
個人としては、AIに仕事を奪われる側ではなく、AIを活用して管理する側を目指すことが大事なのではないでしょうか。
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