銀河英雄伝説を読みきりました
全10巻と5巻の外伝がある銀河英雄伝説の小説を読み終えました
緻密に練り込まれた世界観に様々な対立の構図が展開され面白い
さらに視座を上げるとそれは歴史の1つを紡ぐ物語でしかないと悟らせてくれる非常にいい作品でした
主要人物の退場の仕方にご都合主義を感じざるを得ないが、本筋が面白ければよしだと思う
抽象的な書き方で面白いと感じた概念に触れてゆきたい
戦略と戦術
この作品で欠かせないスパイスの1つがこの概念だと筆者は思う
軍国主義の主人公は戦略的な構想が得意で、立憲民主主義の旗を掲げる主人公は戦術的な構想が得意とする
後者に関してはあくまで一指揮官でしかないので、得意というと語弊が生まれるが、権力を得られなかったという点では戦略家とは程遠いと思う
戦術を駆使して不利を覆す主人公と戦略をもって宇宙統一を目論む主人公
互いに認め合う姿は見ていて気持ちがよいものだと思う
ここから学ぶべきことは、戦略と戦術のどちらで自分は物事を考えているのかを常に物差しに置かなければならないと思案する
例えとして適切かおいといて、将来仕事を引退するまでに1億円貯めたいならそのゴールから逆算するのは戦略的だといえる
その過程で行う工夫は戦術的な取り組みだといえる
むかし、新卒にいた会社の頃はあまり仕事がなく、腐っていた時期もあったが、それは戦術的なアプローチに囚われすぎていたといまでは考える
戦略的に考えていれば、資格を取るなり、社内政治で仕事を作るなりを考慮すべきだがその発想がまるで沸かなかった
民主主義と軍国主義の対立
それぞれの主人公にはそれぞれの国家主義を掲げ、それに影響を受けて戦場を駆け巡る
1人の独裁者が統治をする世界と、全体を善とする世界
我々は民主主義に馴染み深いが、どこかそのやり方がいびつになっていることを肌で感じている
そして、独裁者の方は新鮮であること、若さゆえか輝いて見える行動をとる
ここにも考えさせるチップが練り込まれています
人間構造の比較
主人公は意図的と言ってもいいほど、対立的な存在として書かれている
片方はサラリーマンのような地味なタイプでもう片方は天才肌の人間
片方は心理学や歴史をひもといて緻密に考える秀才だとするなら片方はひらめきと発想の転換によるのとカリスマ性で得られた人脈を駆使する天才
ほかにも登場する人間がそれぞれキャラが立っていて面白い
それを引き立たせるためのシーンが小エピソードが散りばめられており、それによって読者がさらにその人物への妄想を拡大させる
まとめ ぼくたちはこの作品から何を学べるのか
名作であることは誰もが否定しづらい作品だとおもうがここから学べることはなんなんのだろうか
私の結論は、与えられた立場を精一杯生かすことが活路になると感じた
秀才気味の主人公は本来、歴史学者になりたかったが、お金の事情により軍事学校に入学をしている
皮肉にももともと持っている洞察力と後天的に得られた歴史を紐解く力が重なり、軍人という道で才能が開花してしまった
それは表面的な捉え方で、主人公は主人公なりの責任でその責務を全うしたからこそ得られた立ち位置だと筆者は考えている
ほかのサブキャラたちも与えられた環境で生き生きとしている描写が多大に見られるのはそういうことだろうとおもわれる
与えられた環境を邁進する
今一度私たちは与えられた環境に毒を吐かず、皿を食らう勢いで食いついてはいかがだろか