銀座でお買い物ドッキリ!!ハヤカワ三姉妹の恋するレヴュー💖
1月7日の日曜日に早川レイはユニバースのメンバーとの新年の顔合わせがあり、東京駅付近の新丸ビルに集合して、午後の3時ころにランチを食べて解散した。帰りがけにショウはレイに声をかける。正月だというのに、東京駅付近は若者たちでにぎわっていた。去年の暮れにレイはショウと危うく一線を超えそうになったが、二人は我に帰り、そのまま何もなく帰宅した。
レイはそれまで、職務上では青山ミナと名乗っていたが、ユニバース社の社長である父の許しを得て、本名の早川レイを彼にだけ伝えることにした。
本名で呼び合う関係に、レイは心しか嬉しく思っていたりもしていた。
それはショウとの距離を縮めるような出来事でもある。。
少しばかり雲行きは陰り、その影がショウの顔を覆っていて、いつもより彼が大人びて見えた。
そんな二人を見つめる視線。
ハットをかぶる黒服の紳士が彼らの後をつけている。
いったい彼は何者なのだろうか?
冬休みには、初詣やテーマパークに行く予定を立てて盛り上がっている人も多いはず。
でもそんなスケジュールにぜひ追加してほしいのが、「銀ブラデート」。「銀座をブラブラ」の略だけど、まあ銀座でデートするってことですね。
たしかに敷居は高くて大人な雰囲気の街だけど、2人でデートすると「こういう街が似合うカップルになりたいね」と将来のビジョンが膨らんで2人にとっていい刺激になるんです。そこで今回は、女子大生のレイとショウの短時間銀座デートをご報告しましょう。
❤❤❤❤
ショウ: なぁ、レイ。今日は日曜日だし、ちょっと買い物でもしようか。
レイ: え?お買い物?
ショウ: うん、買い物。君はいつも仕事で忙しいから、たまにはリラックスしないとね。
レイ: そうだけど、私たちは特殊な仕事をしてるんだよ。いつ何が起こるかわからないし、気を抜けないんだ。
ショウ: だからこそ、今のうちに楽しんでおかないと。さあ、行こう。銀座にいい店があるんだ。
レイ: はあ、仕方ないな。じゃあ、行ってみようか。デパ地下とかでいいよ。銀座とか私には敷居が高い気がするしさ。
ショウ: 港区女子がなにを控えめなこと言ってんの。任せなさいって。
二人は4丁目の交差点界隈を歩いている。
ショウ: ねえ、レイ。君は映画が好きだったよね。
レイ: うん、好きだけど、日曜で混んでるんじゃないの?
ショウ: うん、わかってるよ。でも、もう少しだけ一緒にいたいんだ。君と話すのが楽しいんだ。
レイ: そ、そうなの。私も、まだショウのことを知りたいよ。ショウは私に自分のことを教えてくれないの。私はショウに興味があるんだ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は君のことを知ってるよ。君は僕の理解者だから。
レイ:そっか。うん、じゃあ。
シネスイッチ 銀座
レイ: うーん。やっぱり今は特に観たい作品はないかも。また、今度予約してからにしない?
ショウ: そうだね。じゃ、お茶でもするか。
GINZA SIX
(まずはGINZA SIXのスターバックスでお茶をする)
人混みの中、店に入るのに1時間は待った。
ショウ: ほら、このケーキ美味しそうだろ。君は甘いものが好きだったよね。
レイ: うん、美味しい!! 好きだけど、太らないかな。
ショウ: 大丈夫だよ。君はいつも運動してるから、体型はキープできてるよ。
レイ: そうかな。ありがとう。
(退席した二人は近くのバーニーズ・ニューヨーク銀座本店へ立ち寄る)
ショウ: ほら、どう? このワンピース似合うと思うよ。君は黒が好きだったよね。変わったデザインだろ。ちょっと試着してみなよ。
レイ: うん、好きだけど、これ高そうだな。「メゾン・・・マルジェラ?」。聞いたことはあるけど。
ショウ: ああ、昔から有名なブランドさ。でも、大丈夫だよ。僕が払うから。
(試着室から出てきたレイ)
(※実店舗には置いていない場合があります)
レイ:どうかな、これ、こんな感じなんだけど。。。
ショウ: おおっ、似合ってる、似合ってる。。。いいじゃない。それ買ってあげるよ!
レイ: え?いやいや、ありがとう。でも、それは申し訳ないよ。私もアルバイトしてるんだから、自分で払うよ。
ショウ: いいんだよ。君には感謝してるんだ。君がいなかったら、あの事件は解決できなかったよ。
レイ: そんなことないよ。あれはチームワークだったんだ。私はただ、ショウの指示に従っただけだよ。
ショウ: いや、本当にすごかったよ。君は勇敢で賢くて、美しいんだ。僕は君に尊敬と愛情を感じてるんだ。
レイ: そ、そうなの。でも、私はまだ学生だよ。ショウは既婚者で社会人だよ。年も離れてるし、立場も違うし、価値観も違うかもしれないよ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕たちは同じ目的を持ってるんだ。正義のために戦うんだ。年や立場や価値観なんて、愛には関係ないよ。
レイ: うーん。でも…
結局、レイはそれを丁重に断って店を出た。
ショウ: よし、OK。じゃ、うなぎでも食べてこ。夕方になったし、お腹空いたでしょ。
レイ: うなぎかぁ、ここんとこ全然、食べてないし、行こうか。
竹葉亭 銀座店
レイ: うわー、このうなぎすごいね。ふわふわでジューシーで、タレも甘くて美味しい。
ショウ: でしょ。ここは銀座でも有名なうなぎ屋さんだからね。予約しないと入れないんだよ。
レイ: え、そうなの?じゃあ、ショウはいつ予約したの?
ショウ: えっと、実は一ヶ月前から予約してたんだ。
レイ: ええ!?一ヶ月前から!?
ショウ: うん。君とデートするのを楽しみにしてたからね。
レイ: そ、そうなの。でも、私たちはまだ付き合ってないんだよ。ショウは私に期待しすぎじゃないの。
ショウ: いや、そんなことないよ。君は僕の好きな人だから。僕は君に幸せになってほしいんだ。
レイ: そ、そうなの。でも、私はまだショウのことをよくわかってないよ。ショウは私に何を求めてるの。私はショウに応えられるかわからないんだ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は君のことを受け入れるよ。君は僕の理想の人だから。
レイ: えー、またぁ。でも、でも…
(うなぎを食べる)
レイ: ふぅ、お腹いっぱい。ショウ、ごちそうさま。本当に美味しかったよ。
ショウ: いえいえ。君が喜んでくれて嬉しいよ。君の笑顔が見たかったんだ。
レイ: えっ!?
ショウ: あ、ごめん。言っちゃった。でも、本当のことだよ。
レイ: そ、そうなの。でも、私たちはまだ友達以上恋人未満なんだよ。ショウは私に告白したいの。私はショウの気持ちに答えられるかわからないんだ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は君のことを愛してるんだ。君は僕の運命の人だから。
レイ:困るな。嬉しいけどさ。
(会計をする)
ショウ: はい、これでお願いします。君は気にしないでいいよ。僕が払うから。
レイ: え?やめてよ、ショウ。これは高いんでしょ。私はショウにお金を使わせたくないよ。
ショウ: いいんだよ。ここは割とリーズナブルだし。君には感謝してるんだ。君がいてくれるだけで、僕は幸せなんだ。
レイ: そ、そうなの。でも、私はまだショウのことを信頼できないよ。ショウは私に嘘をついてないの。私はショウに裏切られないか心配なんだ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は君に誠実になるよ。君は僕の大切な人だから。
レイ…..(今日はずいぶん、グイグイ来るけど。。。なんでかな)
(お店を出る)
ショウ: あっ、カルチェだよ。寄ってかない?
レイ: いやー、私、特にブランドものとか興味ないんだよね。
ショウ: そんなこと言わずに、いいじゃない。入ろうよ。
レイ: 今日のショウはおかしいよ。なんで?
ショウ: まー、いいから。とにかく見て行こうよ。
カルチェ銀座店
ショウ: ねえ、レイ。君は指輪が好きだったよね。
レイ: うん、好きだけど、これらの店は高級すぎるよ。私には手が出ないよ。
ショウ: 大丈夫だよ。僕が買ってあげるから。
レイ: え?もうやめてよ、ショウ。それは無理だよ。私はそんなに贅沢なものは要らないよ。
ショウ: いいんだよ。君には最高のものをあげたいんだ。君は僕の大切な人だから。
レイ: そ、そうなの。でも、私はまだ恋愛に慣れてないし、ショウは経験豊富だよ。女性にもてるし、色々な人と付き合ってきたんでしょ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は今は君しか見てないんだ。君は僕の運命の人だから。
レイ: でも、でも…
(ショウはカルチェのピンクゴールドのリングを選ぶ)
ショウ: ほら、これが君にぴったりだと思うよ。君はピンクが似合うから。デザインも尖っててよくない?
サイズの確認が終わると、店員さんが早速ケースごとレイへと手渡す。
レイ: うん、確かに綺麗だけど、これ高すぎるよ。私はこれを受け取れないよ。もう帰ろう。
ショウ: 大丈夫だよ。僕が払うから。
レイ: いやいや、それはダメだよ。私はショウに借りを作りたくないよ。私は自立した女性だよ。
ショウ: いいんだよ。君には借りを返したいんだ。君がいてくれたおかげで、僕は生きる意味を見つけたんだ。
レイ: そ、そうなの。でも、私はまだショウの気持ちに応えられないよ。ショウは私にプレッシャーをかけてるよ。私は自分のペースで考えたいんだ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は君のことを待ってるんだ。君は僕の唯一の人だから。
レイ: でも、でも…
(カードで支払う)
ショウ: はい、これをどうぞ。君の指にはめてあげるよ。
レイ: ショウ、やめて。これは受け取れないよ。私はショウのことは好きだし尊敬してる。気持ちは嬉しいけど、もう辞めよう。
ショウ: いいんだよ。これは気持ちだから。君にはいつもワリカンばかりで申し訳なかったんだ。
レイ: そんなことないよ。私はワリカンでいいんだよ。私はショウに負担をかけたくないんだ。
ショウ: いや、本当にごめん。君にはもっと優しくしてあげたかったんだ。君は僕の大事な人だから。
レイ: そ、そうなの。でも、私はまだショウのことをよく知らないよ。ショウは私に他にも秘密を隠してるんじゃないの? 信頼できるかわからないんだ。
ショウ: そんなの関係ないよ。僕は君にすべてを話してあげるよ。君は僕のパートナーだから。
レイ: でも、でも…
(ショウは微笑むだけで何も言わない)
そこへなんと、レイの父親が突然現れた。
シルクハットに黒コート。不審な男は彼女の父でユニバースの責任者の三田だった。
レイ: お、お父さん! なんでこんなところに?? まさか私たちを尾行してたの??
三田: よし! レイ。お前は合格だ!! よく切り抜けたぞ。
ショウ: いやー、流石だな。ミナ。いや、レイ。
レイ: な、なんなの。いったい。
三田: 去年の暮れからこれまで様々な誘惑に負けず、私情を一切はさまず大した娘だ。じゃあ、私はここで帰る。久しぶりに家内とここいらで食事をしていくからな。それじゃ、レイ。また。
ショウ: そうっスね。この子はスパイとして一流。信用に値しますよ。
レイ: え、じゃぁ、ここ最近のショウの言動って。。。
ショウ: ああ。すまない。全て演技だ。悪いが君を試していた。オレのようなチャラいタイプの男に簡単に引っかかるような女ではダメだ。スパイなどとても務まらない。三田所長。素晴らしい娘さんですよ。服にも指輪にも、いろんな誘惑にも理性で止めて釣られないんですから。
三田はニヤリとして立ち去った。
レイ: ・・・・・・・ショウ。それじゃ、あなたって既婚というのは?
ショウ: ははは。オレみたいな安月給が結婚なんかできるワケないだろ。服も指輪も買えるもんかい。それからね。オレは一人が好きなんだ。君のことも、まー、色気はあるけど特になんとも思っちゃいないさ。君のお父さんには悪いけどな。。。子供だよ。子供。
レイ: あ、、、、。そうなんだ。試してたのか。
ショウ: これからいよいよ正真正銘のスパイとして頼むぜ。オレも本気でやるからな。いいコンビにまたなろうじゃないか。37109よ。
ミナはせっかくだから、夜のディナーでもと思ったが、内心ガッカリ。ショウには言葉もかけずに東京駅の方向へ一人で歩いていった。
ショウ: おい。レイ。どうした。送っていくぞ。
無言で立ち去るレイ。
辺りはいつしか雲も消え、夕陽が差し込んでいる。
丸の内へ着くと、勤務先のビルへ入り、会社の更衣室でそそくさとレザースーツに着替えるとバイクにまたがり、日比谷通りを芝公園方面へと疾走していった。
❤︎❤︎❤︎
This story is a fiction, and it doesn't relate to the event of real existence.
この物語はフィクションであり、現実に存在する出来事とは関係ありません。
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