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#68 特別養護老人ホームに入居して9ヶ月が経とうとする父について

2019年春にアルツハイマー型認知症の診断を受け、デイサービス、ショートステイを利用し在宅介護をしてきた父ですが、年始に特別養護老人ホームに入居し、9ヶ月が経ちます。入居までのことについては、下記のnotenに綴らせていただいております。

口数が多くなく、自己主張が控えめな父は、認知症になって以降、特に、特養入居前は自ら会話することもなければ、話しかけてもYES・NO程度の回答する程度でした。

認知症の進行の影響かセクハラ含めた迷惑行為で、デイサービス・ショートステイでは大変ご迷惑をおかけしていました。特養入居後も、口腔ケアや入浴・散髪の拒否やセクハラ行為でご迷惑をかけていました。そこで、入居1ヶ月後には、施設側から精神科の受診を求められ受診に付き添いました。ちなみに、内科に加えて、精神科の訪問診療もあるそうですが、初診は受診が必要とのことでした。

春まだ寒さが残る頃の面会では、会話もなく、すぐに自室に戻りたがっていましたが、暖かくなることには、感謝の言葉に加えて、驚くほどの会話をするようになりました。

「来てくれて有難う」
「(母=妻)を連れてきてくれて、有難う」
「今、どこに住んでいるの」
「どうやって来たの」
「食事は美味しくも、不味くもない。必要だからお腹に入れているだけ」
「結婚したよね?」(離婚したことは忘れているようです)
「〇〇(兄=息子)とは会っているか、会ってほしい」(兄とは仲悪くも良くもなく、冠婚葬祭で会う程度で疎遠です)

DEAN &DELUCAのラージサイズの保冷バッグを持って施設に行くのですが、ロゴを見て
「ディアン デルカってなに?」(なんとなく当たっているところがスゴイ)と繰り返し訪ねて来ます。

週3回デイサービスに通ったり、ショートステイに行ったりと落ち着かず、体力的にも辛かったかもしれませんし、施設の方と相性が悪かったのかもしれませんが、会話するようになったことには大変驚きました。

施設側の方としては、精神疾患がある、問題行動がある、と言う認識ではあるものの、入居前を知っている家族としては、特養で生活が安定したのか、随分と落ち着いたな、と言う印象でした。


4、5日前から体調を崩し、発熱があり、コロナで陽性ではなく、痰が出てきたことから、血液検査の結果、誤嚥性肺炎とのことで、抗生剤の投与と絶食、点滴を始めたと連絡をいただき、翌日に当たる昨日、施設を訪ねました。

9日前には、会話をし、目の前で私の持参した葵屋やきもち総本舗のやきもちを食べて元気そうでした。また、面会直後に届いた請求書に入っていた食事や体調の記録では、体重増加について触れられていました。入居前はかなり痩せていたので、健康的に暮らせているので、まだまだ長生きするのかな?と思ったりしていました。

しかしながら、昨日、ベッドで鼻から酸素を注入され、口を開いて眠っており、皆さんが声をかけてくれても起きず、私が顔を近づけても全く気付くことのない様子を見て、急激な衰えには何とも言えない気持ちになりました。

私が訪ねたタイミングでは眠りについていましたが、その直前には起きていたそうで、発熱直後と直近で本人に病院を受診するか尋ねたが「行かない」と意思表示があったとのことでした。

入居時、延命しない、と言う家族の意思を届出していましたが、再確認がありました。

加えて、看護師は夜間は不在となり、痰の吸引がスタッフでは完全にはできないこと、また、24時間ひとりを見続けているわけではないので、痰が詰まっても気付けないこともある、と言う説明もしていただきました。

点滴も延命ではあること、また、本人が点滴を抜くような動作をすれば、点滴を続けられないことも説明いただきました。

2年前、認知症でグループホームに入居していた叔母が、自力で食事ができなくなり、病院に入院しました。そこから、5ヶ月後に息を引き取ったのですが、同様の説明を聞いた時とは違った、感情が湧いて来ました。叔母と実の父では、やはり、感じるダメージに違いはあります。

夕方に病状報告の電話をいただけるのですが、本日、解熱してきたとのことでした。とはいえ、痰が続いており、また、苦しいとの訴えで酸素量を増やしたとのことでした。トイレに行くと言う発言があったそうで、多少なりとも回復した様ですが、ここからは、段々に体力も低下するのかと想像されます。

木下斉さんのVoicyでは、高齢者の延命について問題点のご指摘を度々聞いています。叔母、父で体験する限り、極端な延命治療はしていないものの、延命ゼロではなく、本人が苦しみすぎない程度に治療をしていただくことを拒むことは出来ず、また、このあたりが現代では適正かな、と言うように感じています。

叔母の時の体験で、今後の展開が想像できることは助かっています。こんなことを言うと、冷たい様ですが、自分の健康を一番大切にします。

それを父も望んでいると思います。

今回は以上です。




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