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おばあちゃんと通販(再)
初めてnoteに投稿したものと同じ内容だけど改めて書き直した。
よくnoteに書いているおばあちゃんは父方のおばあちゃん。
今日のは母方のおばあちゃん。
おじいちゃんは本くらいしか買わない人だったけど、おばあちゃんは買い物大好きな人。
住んでいたとこは田舎町だったけどデパートがあり、そのデパートから顧客の家に訪問販売しに来る外商員という人がたまに来ていた。
良いカモだったんだと思う。
おばあちゃんは50万の毛皮のコートを、
「安かった」
という人だったから。
父方の質素倹約を重んじるおばあちゃんとは大違いだった。
おばあちゃんはデパートだけでなく他でも買い物していた。
小学校3年か4年の夏休みに遊びに行くと、
「良いもの買った」
会った早々、おばあちゃんに言われ物置で見せられたのは、
火炎放射器
戦争映画とかでたまに見る燃料タンクを背負って手に持ったノズルの先から炎を噴射するこれ。
もしくはこれ。
おじいちゃんがお坊さんでお寺の広い敷地の草むしりをどうにか楽に出来ないか考えた結果、買ったのが雑草除去用の火炎放射器。
翌朝、火炎放射器は実践投入された。
画像と違い、ノズルの先端からライターより少し大きい程度の火が雑草を燃やしていく。
おばあちゃんは腰を曲げることなく立ったまま作業できるので楽。
見てる僕は、
『かっけー』
って、思ってたら、
「なに、やってるんだ!」
お寺でお経をあげ終えたおじいちゃんが本堂から家に繋がる廊下からこちらを見ていた。
自分の嫁さん。60過ぎたおばあちゃんが火炎放射器を扱ってたら誰だって驚く。
おじいちゃんは、こっちに来て、
「火事でも起こす気か!」
おばあちゃんを叱り、火炎放射器は1度使われただけでお蔵入りになった。
その数日後に僕は帰ったが、おばあちゃんは草むしりを楽にすることを諦めず、今度は草刈り機を買った。
20年以上前の話なので今と違いエンジンを背負う大型の草刈り機。
それを使ってたら、お墓の方から聞き慣れないエンジン音に気付いたお爺ちゃんが発見して、
「墓石に傷がついたらどうする!刃が欠けて飛んで来たら危ないだろう!」
おばあちゃんはまたメチャクチャ叱られて草刈り機も1回で引退した。
草むしりが大変なら除草剤を撒けばいいだろ。というおじいちゃんに除草剤は重くて大変なんだ。と、おばあちゃんが言い返すと、
「小分けすれば良いだろ」
おじいちゃんの一言で解決した。
草むしりの問題解決するのに火炎放射器と草刈り機。
10万以上、無駄なお金がかかった。
おじいちゃんと燃料タンクを背負うおばあちゃんが本堂の前で言い争いしてる時のことが夢に出てきたので改めて書いてみた。
おばあちゃんはどちらも通販雑誌で見つけて買ったと言っていたが草刈り機はともかく、火炎放射器が掲載されてる通販雑誌って、なんて雑誌なんだろう。
今も残る謎。
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