姉という人 2
お肉が安かったという理由で昨晩はすき焼きだった。
食べていると、
「すき焼きに入ってるほうれん草って、なんで苦いの?種類違うヤツなの?」
そう姉が問うと、
「それは春菊。あんた、今までずっと春菊をほうれん草だと思ってたの?」
母の声が呆れから怒りに変わっていった。
小さい時から夕飯作りを手伝わないから、そういう常識がないことを言う。
と、おかんむりだった。
「あんた、外ですき焼き食べたときに春菊をほうれん草と言ってないでしょうね?親であるお母さんがバカにされんだからね」
母の問いに姉は、お店で食べるときは誰も春菊の味について触れないので、すき焼きに入ってるのは種類の違うほうれん草だと思ってたと言い、常識がなさすぎるとまた母が怒っていた。
「春菊をほうれん草だって思ってたと人に言っちゃダメだからね。
あぁ、もう…ほんとに教えなくても、このぐらいのこと分かりなさいよ」
母はうなだれ、重い空気のまま食事をとった。
1、2か月前にも姉は、見た目も味もサーモンまんまの料理を食べて、
「なれこれ?ブリ?」
と、言い、その時も母を怒らせていた。
バカ舌と思ってたけど、そういうレベルを超えたポンコツなのかもしれない。
母は姉には言うなと言ったが、僕には言わなかったので職場で話したら、
「それはガチでヤバいやつですね」
誰も笑ってくれなかったので、うちの姉は結構、深刻な部類になるっぽい。
姉は一時期、休みのたびに横浜中華街に行って杏仁豆腐を食べ歩き、杏仁豆腐を極めたと母に豪語してたそうだけど、食べてたのは本当に杏仁豆腐だったんだろうか。
なんだか姉が怖くなってきた。
ジュースが飲みたいです('ω')ノ