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1日目:出発地サンジャンピエドポー

Saint-Jean-Pied-de-Port. いやー着いた。異国は何がドキドキかって交通機関だと思う。チケット売り場で行き先や到着時刻なんかを何度も確認したつもりでも到着まで安心できない。そもそもの国柄基本ルールがまるで違うし。前ノート【0日目:出発地に向かう前日バイヨンヌにて】 https://note.mu/jukkotsu/n/na4e76bad3cfd の時刻表もそうだしこの仏長距離電車のチケット確認の黄色い箱なんかも。↓

いわゆる日本で言えば改札に近いものと言えると思いますが。下調べでは自分の乗る電車の発車直前時間をキチンと把握して検印(上部にある溝にチケットを差し込む)しないとダメ!とか。その検印内容がおかしいと罰金が発生し、かつそこで降車させられる!とか。なんだか、この一か八か的システムは、真逆のガチガチ合理的整合性システム社会の日本に慣れた身としてはドキドキした。結局、バイヨンヌ駅においてはホームに居た駅員のおじさんに聴いたら『イイヨ別ニ押サナイデ乗ッチャイナ』だとさ。

なんだか、まあ、現地や現場でないと判らんもんですね。バイヨンヌからの電車を降りて、バスに乗り換え揺られる事、小1時間。サンジャンピエドポーに到着。

サンジャンピエドポーそれは、実写版シルバニアファミリーハウスが集まった様な町。

トップ写真だったり、下のアーチ型煉瓦の歩道があったりするのを見て頂く通り、シルバニアファミリータウンなんです。シルバニアファミリーで遊んだ事はないですがビジュアルが昔見たCMやおもちゃ屋の飾り見本とデジャブです。

丁度、時季的に天気も良く、小学校らしき広場に子供がワイワイ遊び、原宿の様な土産物店が軒並み続き、観光客が楽しげに散策する様な爽やかでまさにキュートでキッチュでアットホームなシルバニアファミリータウン。

チラホラ見かける同じような旅人もまだ明るい時間もあり、アルベルゲ(スペインの巡礼路でのオフィシャル的宿をアルベルゲと呼びます。ここでは格安で宿泊出来たり、旅程を認証するスタンプを貰ったりします)探しを兼ねて町散策していた。とりあえず景気付けにビールでも飲もうと飲食店を探した。

ローカル感が楽しめそうな定食屋的店を見つけた。クロックムッシュをオーダー。実はクロックムッシュという名前は聞いてはいたが、何なのか、まして料理名だとも知らなかった。でも比較的安かったので軽食だろうと選んだ。当たりっす。丁度いいっす。旨いっす。

てか、クロックムッシュって皆さんは知ってるんでしょうね。現物見て、なんだいこれかい!と自分にツッコミました。オーダー取りに来たのは18歳前後とおぼしき兄ちゃん。料理を運んできたのはTHE田舎のおばあちゃん。さっきの兄ちゃんを孫だと言ってたと思う。和み系バル。天気も良く店先のパラソルにデッキチェアー。まだまだ解けぬワクワクとドキドキの緊張感はビールの泡の様にぷちぷち生まれては心地よく消えていきます。

アルベルゲ受付事務所へ。

各地のアルベルゲ毎に結構受付時間がマチマチらしく旅人によってはその町に着いたらまずアルベルゲの前で受付開始まで待って部屋確保してから町に繰り出す人も居るらしい。町の規模に対して宿の数、大きさ、つまりはベッドの数にも限りがある。なので確かに宿確保は最優先事項であった。実際に後々の旅程でこの早い者勝ち争奪戦の熾烈な(笑)現実を実感する。

さて、受付事務所で、後々ちょいちょい顔を合わせるハンガリー人のスマートガイのゾイ(ナイスな男=ガイって事にして、ゾイというニックネームです)に出会う。会社員だと言ってたかなぁ。この800kmの旅路では、不思議な事に、どこかの宿だったり道程の途中だったり1度会ったり声を交わした人にちょこちょこ面白いタイミングで出会う。どこかで抜かされていたり、僕が抜かしていたり。同じ道のはずなのに、お互いがどこを歩いているか判らないのも面白い。

件のゾイからは今後の宿の良し悪しや、それぞれの町での受付時間、ベッドの確保のし易さといった情報等と色々助けて頂いた。沢山の国籍の人と交流したが、同じ国籍の人でもひょうきん者、寡黙な人、物静で穏やかな笑顔の人、落ち着いてるけどお喋りは好きなタイプ、と当然のごとく様々。また、色々な『荷物』を背負っている人も居る。ゾイは明るく笑顔の絶えない気遣いの人。英語がメインに繰り広げられる昼のカフェ休憩や、夕食等の時でも僕を会話に引き入れてくれたり、日本文化にも興味を持ってくれたりと本当に助けてもらった。

サンジャンピエドポーの受付事務所

ココはこの巡礼路自体の受付でもありスタンプ帳や道程の町同士の距離や高低差まで示したmapまで貰えた。このmapが無かったら結構無謀な作戦で歩き旅をする事になっていたと思う。このmapも旅の終わりには折ジワ、シミ、破れ、メモ書きで等でインディジョーンズかグーニーズで使うボロズダの宝の地図へと変貌していた。

初宿で早速世界博覧会。

毎年、旅人は結構多いらしく上手く分散する様にこの受付事務所が宿を割り振りしてくれる。僕は受付事務所から数分の宿へ。偶然、先ほどのゾイもこの宿だった。他、総勢10名程の外国人と一緒に宿泊。そしてまさに世界博覧会。ハンガリー人のゾイ。フランス人、スペイン人、アメリカ人、ドイツ人、韓国人、ブラジル人といった多様な国籍。以後も、様々な国籍の人(アイルランド、チェコ、イタリア、リトアニア、トルコ、スイス、イギリス、ポーランド、ポルトガル、インド、等々)と同宿。

赤い皮のちょっと固目のラフランスの様な果物、バナナ、コーラとパンやらといったものを夕食に食べながら大きなテーブルで一緒夜を過ごし繰り広げられる英語カンバセイションでヒアリングを鍛えていた。

1日目を終える。

明日は早い。街灯の無いフランスの田舎町。宿の前で意気込み的にCOOLでドラマティックなイメージショットを撮影しておいた。

追記。Saint-Jean-Pied-de-Port.サンジャンピエドポー。ひょうきんなジャンさんが縦笛吹きながらマイケルジャクソンでポー!みたいな名前だね。

2日目:サンジャンからロンセスバージェス へ続く

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