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玉響の箱

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玉響の箱(たまゆらのはこ) 玉は宝石や美しい石のこと。 そんな宝石が揺れる一瞬を、 「玉響」と申します。 一瞬のキラメキを閉じ込めた箱には、 noteで出会った素敵な記事を、 …
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#わたしの旅行記

内宮参拝と旅の終わり

内宮参拝と旅の終わり

長い旅だったと思う。交通機関も未発達な時代。歩いて歩いて歩き続けて、そうして最後にたどり着いたのが伊勢だった。

崇神天皇の時代(3〜4世紀頃?)。宮中で祀られているアマテラスの威光が強すぎるため、別の場所に移すことが提案された。

何人かの皇女が様々な地でアマテラスを祀ったが、なかなかしっくりこない。そのお役目を最後に担ったのが、倭姫命だった。倭姫命はアマテラスの依り代である鏡を携えて大和(奈良

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海で禊、お伊勢参り【三重県伊勢市】

海で禊、お伊勢参り【三重県伊勢市】

目覚ましはかけていないが、早くに目が覚める。空調のきいた部屋で足を伸ばして寝られることのすばらしさを実感。体の疲れがとれているのがわかる。気取りながらカーテンを勢いよく開く。曇天。朝食もとらずに車を走らせた。

二見興玉神社海は灰色の空と混ざり、青緑色となって凪いでいる。「お伊勢参りは二見から」と言われるように、伊勢神宮を参拝するときは、先に二見興玉神社で禊をするのが一般的な作法とされている。

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伊勢に向かう、ビジネスホテルで一泊

伊勢に向かう、ビジネスホテルで一泊

※サムネイル写真は「伊勢旅館組合」から引用

玉置山を下りて道なりに南下。海に当たったと思ったら、花の窟神社の前だった。神社の隣にあるコンビニで休憩。その後の予定を考える。

本来であれば玉置神社に行って、今回の旅は終了のはず。それが大雨のためにいくつかの予定の削りと繰り上げがあって、まる一日の空白が生まれた。

最初は一日早いが帰宅しようと考えていたが、色々回っているうちに雨の旅が楽しくなり、そ

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呼ばれないと行けない玉置神社のこと【奈良県吉野郡十津川村】

呼ばれないと行けない玉置神社のこと【奈良県吉野郡十津川村】

険しい山、何度も同じような道を進み、いつの間にか高いところまで上っていた。少し開けたところに車を停めて窓を開けると、高い調子の笛の音のような、鹿の鳴き声がこだましてきた。今回の旅は、なにかと鹿に縁がある。

「呼ばれないと行けない」と言われている神社がある。奈良県、和歌山県、三重県の堺目にある、玉置(たまき)神社もその一つだ。何かの機会で神社の存在を知る。次にその神社に行こうと考える。そして神社の

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