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児童の不平不満を防ぐ“平等と公平”の指導【語る教育×心理学②】
心理学シリーズ第2回。第1回はこちらから!(たくさんの皆さんに読んでいただきありがとうございました♪)
クラスの指導をしていると、ある児童が教員の指導への不平不満をいうことがありますよね。
・『なぜ俺だけに叱るんだ!』
・『あの子には優しい。』
・『指導の仕方が違う!』
このような内容です。ある意味、子どもたちにとってこの反応は普通でしょう。
一律の指導でうまくいくことがないことは教師としては分かるのですが、子どもたちは周りと自分を比べてしまう。
このような不平不満があがると、理由はなんであれ、それが保護者にも伝わることが多く、結果教師への不信感につながってしまいます。余計教師の指導が通らなくなっていきます。
1.「公平」「平等」の違い
公平、と平等。明確な違いを明らかにできる人は、なかなかいません。
特別支援教育の勉強をするようになり、研修でこれらのようなイラストをもとに説明を受けたことがあります。
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“Equality”=平等。そして、“Equity”=公平のことです。
明確に違うということがお分かりでしょうか。
『平等』とは、みんなが同じ条件で待遇されること。これが大切なことももちろんあります。
しかしイラストのように、人それぞれには違い(個性)があり、その違いを考慮せず、機械的に固まった考えで、例えば「平等に同じ高さの踏み台を配る」と、野球の試合が見える人と見えない人が出てしまうのです。
一方、人それぞれの違い(個性)を認めて、互いに補い合うことが【公平】です。こうすることにより、結果において均等が保証されます。背の高い人は踏み台が無くても見えるのだから、自分の踏み台を見えない人に回すことによって全員が「公平」に観戦することができます。
2.指導への活かし方
ここで言う踏み台は個別、それぞれへの支援・配慮のこととなります。
目が悪い人はメガネをかける、コンタクトで視力を補う。これって当たり前ですよね。
だから、視覚優位な子へのアプローチとして、特別に掲示物を作って与えてやっても良い。書くのが苦手な子にICTでアプローチして、板書をタイピングや写真撮影での記録で対応することも許可して良いのです。
UD(ユニバーサルデザイン)として、皆に与えるべきか、違いや障害に応じた合理的配慮として、特定の子に踏み台を提供すべきかは考える必要があると思いますが。
生徒指導の場面でもこの「公平」と「平等」という理屈は児童・生徒に伝えるべきだと私は思っています。1つ1つの指導が、この踏み台と同じなのだ、という考えです。
例えば、
①毎回提出物の期限に遅れてしまう子。
②たまたま1回の提出期限を忘れて締まった子。
この2人を同じタイミングで指導をしなければいけないとする。同じ指導をするでしょうか。同じ指導では、明らかに自然ではないと思います。『忘れないような子に』その同じ目標(イラストで言うと、野球の試合をみること)を達成するために、指導の仕方を変える。伝え方の厳しさを変える。(決して意味もなく怒鳴りつける指導をするなど、子どもたちにとって理不尽な厳しさを肯定しているわけではありません。)
このように、教師が指導する際に、子どもたちのもとからの考えを変化させて(=reframing)いかなくてはならない場面は多くあります。
分かりやすい例え、話を使って、色々な考えを伝えていきたいですね。
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余談ですが、最後にこちらの写真を。
一番右側の1枚が付け加わっています。これが、Reality(=現実)だと。世界の実情。
先進国の金持ちは踏み台を独り占めして高みの見物。一方、後進国の貧しい人は地面の穴にはまり込んで野球観戦どころではない。小さな踏み台さえ回って来ない人がいるのが現実なのですね。
平等も公平も程遠い、格差社会の世界です。これから今以上にこうなっていくのです。考えさせられますね。
本日もお読み頂き、ありがとうございました。
授業てらす 第2期 よう先生
ICT関連、教育と心理学など。これまでの記事は↓ こちら