赤いビー玉の少女《1分で読める怖い話》

幼い頃は、
よくビー玉で一人遊びをしていた。

光が反射して色々な
きれいな模様が見えて、
ずっと眺めているだけで好きだった。

ある時、眺めていたら、
赤いビー玉の中に
赤い服を着た少女が
鞠つきをしているのが見えた。

少し怖かったけど、
こちらには気づいてないように見えたので、
鞠つきしているのをじっと見ていた。

見ていたら、犬が突然現れて、
その少女を追いかけはじめた。

追いつかれる危ないと思っていたら、
逃げていた少女がこちらに向かって
走ってきた。

「うわっ」とびっくりして
手からビー玉を離してしまい、
ビー玉は転がって棚の下に入ってしまった。
そのビー玉を見るのが怖かったので、
放っておくことにした。



数年後のある日、
実家に帰って掃除をしていたら、
食器棚の下から赤いビー玉が出てきた。
その時は何も思わず、ゴミに捨てた。


今から思うと
あの時のビー玉だったのかもしれないし、
やっぱり違うものかもしれない。

食器棚の下から出てきた赤いビー玉は
中が見えないほど黒く濁っていたから。

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