読書録136 殿山泰司著「殿山泰司ベストエッセイ」&新藤兼人著「三文役者の死」
どちらかといえば、小説よりエッセイを好むオレとしては、ちくま文庫の「ベストエッセイ」シリーズはとてもありがたいのだ。
小説作品と比べてエッセイの類いは絶版になりやすく、名作と言われる作品ですら古本屋を巡るしか入手できなかったりするので、ダイジェストとはいえ過去の名作が発掘されるのはうれしい。
読みたかった「三文役者シリーズ」とも、やっと出会えた訳で、テレビや映画でインパクトある脇役だった「タイちゃん」のエッセイは、自由奔放で楽しかった。
タイちゃんをもっと知りたくなって、盟友新藤兼人監督がタイちゃんを描いた「三文役者の死」も合わせて読んだ。
こちらも著作からの抜粋が多く、タイちゃんへの解像度は上がった。
さらに映画「三文役者」まで観たので、かなり楽しめた。
新藤兼人監督にとっての乙羽信子さんも、タイちゃんと「側近」の関係性と一緒だったりすんだよな。
余韻が残るなぁ。なんとなく。