英検準2級と2級の間に導入される新設級って何?
こんにちは。ジョイズ note編集チームです。
本記事では、最近発表された英検新設級の導入やその難易度の考察をまとめました。
日本英語検定協会(英検協会)は2023年9月29日、実用英語技能検定(英検)の準2級と2級の間に新たな級を導入することを発表しました。新設級の導入は31年ぶりのことで、2025年度からの開始が予定されています。
英検は、段階的に英語力を測る指標としてニーズがあり、受験志願者数は年々右肩上がりで増加しています(2020年度を除く)。特に中学生と高校生が多く、2022年度では全体の7割以上を占めました。文部科学省においても、中学3年時に英検3級相当以上、高校3年時には英検準2級相当以上の割合を、それぞれ2027年度までに6割以上にするという目標を掲げています。
英検志願者数の推移(年度)
英検協会はこれまで準2級と2級の間に「高い壁」があることを問題視しており、難易度のギャップを埋めることで、学習者にとってより身近な目標を提供することを新設級の導入で目指しています。
はじめに、英検とは何か
英検は幅広い世代が受験する英語検定試験で、1級から5級まで、全7つの級があります。試験問題の特徴としては「リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング」の4技能のバランスを重視し、日常生活からアカデミック、ビジネスまで、社会で求められる英語力を測ることができます。3級以上は一次試験と二次試験に分かれ、一次試験はリーディング・リスニング・ライティングの3技能の筆記試験を行い、二次試験はスピーキングの試験を行います(一次試験合格者のみ)。また、4級・5級においてもスピーキングを任意で受験することが可能です。
文部科学省の新学習指導要領においても4技能の言語活動を通して「コミュニケーションを図る資質・能力を育成することを目指す」ことを掲げており、英検は教育関係者にとって活用しやすい指標のひとつとなっています。
各級の特徴(目安)
また、教育現場にとっての指標の役割だけではなく、資格としても活用シーンが多いことが英検の特徴です。その認知度の高さから、入試や単位認定、就職活動などで活用されています。実際に大学入試に英検を取り扱っている大学の数は482校にのぼります(2023年11月1日時点)。
英検協会が考える新設級の必要性
準2級と2級の高い壁の一つには、準2級合格者が2級合格までに要する期間が長いことが懸念されていました。下図は、5級から2級までの各級を順番に受験し、合格した受験者が各級の合格までに要した期間の平均値を算出したものです。準2級合格までの所要期間が1年程度に抑えられていたものが、2級合格には約1.5年を要していることがわかりました。
5級から2級までの各級を順番に受験した学習者の2級合格までに要する期間
学習時間が伸びることは学習者にとって、モチベーションの低下に繋がりかねません。この間延びした所要期間を短縮するために、学習者が「小さな成功(合格)体験」を経験することで、持続的な学習と実用英語の習得を実現することが、新設級の役割と英検協会は考えています。
英検協会は以下の通り、新設級の「導入による目指すこと」を挙げています。
従来より、準2級は高校1年生、2級は高校卒業時に取得を目標としたレベル設定となってきていたため、新設級に関しては高校2年生時の目標として位置づけられると推察されます。
新設級の難易度
英検協会が公表した生徒の声のひとつに「2級の単語レベルは、準2級までとは段違い」という意見があがっていました。新設級の難易度はどの程度に設定されるのかを予想するため、実際の過去問を基に、3級・準2級・2級で出題された各単語の難易度を確認してみました。
2023年度第2回過去問 大問1(3級・準2級・2級)
上記の単語は2023年度第2回の各級の正答にあたる単語です。単語の難易度は、Weblio英和和英辞典の学習レベルを参考にしています(レベル1が最も易しい)。全体的に、準2級ではレベル2~3相当の単語が中心に扱われており、2級では平均してレベル4相当の難易度となっています。そのため、新設級における単語の難易度は、現行の級の難易度が変わらないことを前提とした場合、レベル3~4相当の単語が中心に出題されると考えられます。
また、この大問においては、必ずしも単語そのものの難易度だけではなく、文の前後関係を通して適切な文法や熟語を選択できる知識や読解力も問われていることがわかります。
英検対策もできるTerraTalk
本記事では、英検協会の新設級導入の目的として、バランスよく段階的に難易度を上げることで、持続的な英語学習の実現を可能にしていくことをご説明しました。
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最後までお読みくださりありがとうございました。
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