漫画に関する覚え書き 1

子供の頃になりたかった職業の一つは漫画家だった。

小学校の頃は主に四コマ漫画を書いて家族や学校のクラスメイトにみせるのが楽しかった。

自分の書いた漫画で他人を喜ばせたかったのか、自分が書いたものを見てもらうことそのものに喜びの比重があったのか。よく覚えていないが、後者のような気がする。

考えてみると漫画を読むのが先だったのか、それとも描くのが先だったかのかも、よく覚えてない。
普通に考えれば読むのが先だった気もするが、きっかけは分からないほど気づいたときは当たり前のように漫画を描き始めていた。

成長すると週間少年漫画雑誌を読むようになり、自分でも何度かストーリー漫画を描こうと試みていたが、そのほとんどが鉛筆描きで、他人が読むに価する完成度には達しなかった。

世界観やキャラクターなどはいくつか考えていた気がするが、どれもアイディアどまりで漫画を描くための基本道具を揃え、然るべき形式で描くことは殆どなかった。

その後、漫画を読むことも少なくなり、漫画家になりたいという気持ちもなくなっていた。

僕の漫画への興味が薄まってから、むしろ漫画界は活発になった気がする。例えば、好きな漫画の一つである『ジョジョの奇妙な冒険』は、個人的には第五部の中盤、ブチャラティがボスと遭遇し組織の裏切りを決めてから、ナランチャVSスクアーロ&ティッツァーノ戦くらいまでが好きだったのだが、その後、第六部のストーンオーシャンを挟みスティール・ボール・ランを経て更に人気や評価が高まったように思う。

自分の感覚が鈍ったのか、漫画の質が低下したのか、楽しむ余裕がなくなったのか。

(2012.03.29)

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