さくらももこのエッセイを7周して文章力を身に付けたい
はじめに
「20代を無難に生きるな」という本にこういう書き出しがあった。
大好きな本は、必ず7回は読みなさい
7回読むことで、毎回違った気づき、発見、響き、成長をみせるという。なるほど。それはいい事を聞いたぞ と思う私。確かに本を読むことで学びを得ることが多々ある。それを7回ともなると効果的だろう。
私は最近、自己啓発本やら東大生が~なんて本を読むことが多い。頭が良くなった気になり、2~3日取り組む。その後は忘れる。その繰り返しだ。今回も2~3日くらい取り組もうかと思っていた矢先、長期間にわたり実行できそうなことが書いてあった。これなら3か月も続くため、自己啓発本30冊分の価値がある。 そこでこの取り組みにチャレンジした。
さくらももこに狙いを定める
では、一体どのような本を読むか。東進でおなじみの林先生によると、森鷗外などの文豪が書いた本は文章力向上にオススメと言っていた。読書経験の少ない私にとって、あまり気乗りしない。そもそも好きな本って言ってたし。今回は林先生ではなく、20代の本の先生に従うか。
そう自分に言い聞かせ、
安い
読みやすい
文章力が高い
という理由でさくらももこ氏のエッセイ「さるのこしかけ」に決めた。
さくらももこ氏のエッセイ(名前はわすれた)は旅行先で読んだ経験があり、その面白さが鮮明に残っていたので、「家でも読みたいな」と考えていた。
エッセイには他にも「ももこの話」や「もものかんずめ」などが存在する。「もものかんずめ」はまる子の声優さんによる音声化もされている。そっちの方がディープももこラーニングに適している(さくらももこのエッセイを体で感じる)が、本を読むことが目的であるのと本屋で見つけられなかったので、唯一取り扱っていた「さるのこしかけ」にした。
「これを読めば、あたしゃさくらももこの文章力を手に入れられるよ」と無難に生きないために読むはずが、さくらももこになることが目的になっていた。まったくもって無難ではない。バカなことを考えながら、エッセイを読み始めた。
1周目
さくらももこ氏は「ちびまる子ちゃん」の作者である。その程度の認識しかなかったが、このエッセイを読んで認識が180度変わった。
「飲尿健康法???」
「肛門がベートーベンの運命??????」
「インドの大麻さん?????????????????」
語彙力、経験、読みやすさ…そして本人の破天荒さに驚愕した。「なるほど、これは賞とりますわ…」とも思った。「20代を無難に生きるな」には本以外にも「20代はネタ作りの期間」とも言っていたが、ネタにパワーがありすぎる。 無難どころではない、怪奇に生きている。それを特有の表現力であらわしている。1周目から「とんでもないやつに出会ったな…」と感じるようになった。
2週目~7周目
「さるのこしかけ」は海外旅行(インド、台湾)の話、幼少期の話、まる子の話など、多岐に渡る。7周かけて読んだ教訓、表現の特徴を挙げると以下のようになる。
たとえ話
心情
漢字
たとえ話は痔の話の時、通常の痛みを「ジャズ」。痛みが悪化した時は「ベートーベンの運命」と言っている。事の大きさを理解しやすいし誰でもわかるたとえ話だ。分かりやすいたとえ話を心がけよう。
次に心情。さくらももこのエッセイでは定期的に笑い転げたり、泣いたり、小躍りしている。これもまた想像しやすい。言葉だけで伝えるのではなく脳内に映像を作り出す書き方がいいのだと感じた。
最後に漢字について。このエッセイは基本難しい漢字は使われていない。そのため誰でも読むことが出来る。スッと文章が入ってくる。そういえばドラマ「ハケンの品格」で篠原涼子が「漢字は7~8割くらいの方が見やすいぞ(漢字に出来る文章は全部漢字にするな)」と言っていたのを思い出した。このエッセイもそうであったので、漢字については①難しい漢字を使わない②漢字少なめを心掛けたい。
最後に
読み終わってみると、「なんで同じ本を7周してんだ…?」という気持ちが湧き出た。その疑問は始めに出してほしかった。しかし、文章を書く上で気を付けるべき点には気づけたし、さくらももこ氏の破天荒さにも気づけた。いい経験であった。
これで「さるのこしかけ」は私の人生で7周読んだ本の1つとなった。
私が今まで7周読んだ本はオウガバトル64の攻略本とドラえもんの計算がはやくできる本だ。あと20代に7周読んだ本は「座右の本」になるらしい。私の価値観をドラえもんとオウガバトルに染めたくはないので、今後はさくらももこ氏の他に、森鴎外、林修などを参戦させて多彩な価値観を身に付けたい。
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