シルヴァン・テッセン『シベリアの森のなかで』を読みました
たまに行く本屋で表紙を表にして並べてあり、これはオススメなのだろうと思いなんの情報もなく購入しました。
目次の前にある手書きの地図をみて、『デルス・ウザーラ』を思い出しました。両作品の舞台は近いのだと思います。
バイカル湖畔の小屋で6ヶ月間ひとりぼっちで生活した日記になります。もっと孤独に苦しむのかと思いましたがそんな感じではなかったです。でも実際にはものすごく寂しい思いをしたんだけど、そうゆう弱音を吐くのではなくもっと書きたいことがあるためだと思います。重要なのは騒がしい都会の生活から離れ、最小のエネルギー消費でインターネットからの情報を遮断して生活する壮大な実験なのでしょう。
ロビンソン・クルーソーのように生きていくためにしなければならない作業があります。彼が小屋に持ち込んだ本60冊の中にもダニエル・デフォーの『ロビンソン・クルーソー』が入っています。ロビンソン・クルーソーは夕食時にスーツを着ていたという記述があるのですが、全然覚えていないのでまた読んでみたいと思いました。
長い冬が終わり、5月16日に太陽が顔を出すところは印象的でした。「ついに青空が見えた。ぼくはロシア人らしく行動する」とあります。井上ひさしの『一週間』にも同様な記述があったことを思い出しました、ハバロスクフの捕虜収容所にいるロシア人が太陽が顔を出すとひなたぼっこをするところです。