服も靴も言葉も声も 飾りは全部無しにして 1の僕でいるから その真ん中を もし気に入ったなら手に取って欲しい 僕が選ぶ服は僕じゃない 僕が選んだ君のほうがよっぽど僕だ 僕を見つける タグは君
両親が嫌いだ。 こんなに劣等感にまみれた自分を正しく愛している。きっと私の良いところも悪いところもまるごと、私として愛しているのだろう。勝手なことだ。そんな嫌いな両親の上にどっしり乗っかっている私の生活は最も許せない。嫌いな相手から愛され、生活も保障され、私はもう私として生きている気がしなかった。どんなに暴れても無駄だった。 自分の身体を傷つけた。両親の大切なものを粗末にしている感覚が、私を優越感に浸らせた。初めて両親の上に立ったような気がしたのだ。私はその快感にハマった
・水族館で。魚の群れがエサに操られて形を変えて、そこをライトアップしてて綺麗だった。魚の1匹いっぴきが細胞みたいで、それは独立して意志をもって動いてる。それが大きな「ひとつ」になってるように見える。僕自身も細胞で生きてる。 人間の本体はどこか。脳か。司令を出すのは脳かも。でも大部分を成すのは脳以外の細胞だし、細胞1つひとつに意志があるとも聞いたことがある。腸が本体とも聞いたことがある。もし人間の本体が腸なら「その人がその人たる所以」「個別性」は腸になるだろうか。 君が好き
弁当は胃の腑と交換こ さぞ尊い痛みで半分こ 転がった頭だけのあの子 ずっと同じ気持ちでぺっしゃんこ 幸と不幸の2人暮らし 風呂の掃除押し付け合う ロウソクの火を暖めるような 大事な悪い言葉使えれば いいな ゆらゆらゆら部屋の白い矢で息継ぎ 接続されていく後味のない今朝 もういいかい まだ つなぐ 忘れる 今 ねえ ぼくら 間違っていないよ
なにか恐ろしいことを忘れている。 いや、本当は忘れてはいないが。 目を背けて、見えないようにしている。 段々、目を背けていることすら忘れ始める。 でも決して完全に忘れることはできない。 喜びは簡単に僕を夢中にするが 喜びには哀しみがある。 喜び一色で満たされることはない。 その喜びと哀しみの隙間から 忘れたい「それ」が見えるのだ。 悲しみは僕を一色にしてくれる。 綺麗に埋めてくれる。 そんな時の僕は恐ろしいことなんて忘れて 悲しみに夢中になれる。
枯れた花をゴミに変える時の熱く重くなる胸の鼓動 食べられないところは捨てて僕のことも背景にして テレビの中のあなたに 人混みを裂くあなたに こちらを睨んだその目に 悪い目で恋をした シタイシタイ期待の目痛いほど浴びて張り出した神経 シタイシタイ期待の目痛いほど浴びて花をかざる そんな切実を気まぐれに転がすよ 枯れた花をゴミに変える時の熱く重くなる胸の鼓動 食べられないところは捨てて僕のことも背景にして 強く美しく清くからっぽでなくてどうする ひとりで居させ
本を一気に買った 本を読むとなにか得なくちゃと思う 本当はもっと楽に自分をその本に委ねるべきなのかもしれない 得なくちゃと思うのは、そうじゃないと拾えないなにかがあると思っているからで、無意味になってしまうと思うからで。でも別に無意味でいいんだ。 もう少し本を信じてみようと思う 読んだ本が自分の全てになるように、クラゲみたいに自分をゆらゆらにして本を読んでみよう 本を対象物ではなく、自分の一部として捉えてみよう 最近、自分のことを筒だと思う 文字も音も食べ物も
世界の答えを知っています。 それはひとつしかないので指で押さえられます。 その一点さえ押さえればあとは他がどんなに動いたり回ったりしても構いません。 その答えとは ただすれ違うだけ 言葉じゃなく落とし物だけで互いを知る 絞るように、溢れるように、零れるように 決して飲み干さない、飲み干せない 遥か彼方にいるあなたを少し近くに感じるのは 海をあえて遠くから見て、綺麗だと思い込む時です
花束を愛でるのはズルい感じがする 美しい綺麗な花をたくさん集めて束として愛している 花からすればたった1つの自分なのに それをいくつかの内の1つにされてしまう でもその愛されている内の1つにはなれてしまう 愛されているけれどあなたのすべてにはなれないと悟る 満たされない満たされるが行き来している 死ねない毒を飲まされ続けているみたいだ
だいたいのことは感動できてしまう 触れれば動くようなこころだから 赤の他人の微笑みひとつで充分なんだ いや、そこらの草木でもいいかもしれない 昔、海外へ行った時。当時の自分としては大金をかけた旅行だった。卑しい私は「この機会に何か得なければ」とある意味必死だった。そうしたら旅先のだいたいのことは感動できた。意味のあるものにできた。それがきっかけだった。別に海外じゃなくたってそれはできる。読み手の解釈不足だ。 いつだって軽い心でいたい、些細なことでも心を動かせるままでいた
ありがとう、とか ごめんなさい、とか ちゃんと言える人が好きだと思ってた でも少し違うような気がした ちゃんと言える人じゃなくて、ちゃんと思える人が好き それはありがとうとか、ごめんなさいって、思ってなくても言えるってことを最近知ったから そういう人に最近会った。本当は心から思ってて言ってるのかもしれないけど、言われた私はそう思えなかった 逆に言えば、ありがとうって思ってなければ、ありがとうを言わない人が好きだ、結局は単に嘘が嫌いなだけかも 今まで親しくしてきた人た
雨に降られてお家に帰る 小さい頃を思い出す ずぶ濡れでお家に着くと お母さんがタオルを持ってきてくれる それがとっても嬉しかった だから雨の日が好きだった 父親が家にいる日が好きだった いつも怒ってる怖い父親だったけど それでも父親の仕事が休みの日は心がウキウキした
バラのような恋 湿るほど握り 君を待っている それは気づいた 8度目の波の音 いつまでもどこまでも行く 馬鹿らしいなとは思っているけど せーので足を出す もう少し寒けりゃ寒がれたそんな夜 また1歩進んでく 幸せの浅瀬でちゃぷちゃぷと遊ぶ君の裾 少しの勇気があれば この先もずっと あなたのつめものになる 悲しくて泣くような正しさでぶつ どうでもいいから枯れていく 夢の中ばっかでバスを待つ 私は太陽じゃない 汚れた嘘がある 影を隠せないあなたが幾つも愛おしい
あなたのことを想って選べるのはくつしただ 少しだけオシャレするのは決まってくつしただ 服や聞いてる音楽で君に向けたオシャレをするのは気が引けちゃう 些細だ、でもくつしたがちょうど良い 靴を脱ぐご飯屋さんでやっと気付けるようなオシャレがわたしには似合う 頼んだメニューが届くまでのお冷の時間をギリギリ潰せないくらいの話題にはなる、くつした でもあなたとわたしはいつも2人きりじゃないから、このくつしたの話になることなんてそうそうない でもそれでいい くつしたばかりで
お夕食を早めに済ませて、外に出ました。 掃除やお洗濯はまだですが、もう良いのです。済んだことです。 空は赤い色をしていました。綺麗なグラデエションで上へ行くほど段々と青になっています。いつか、そのグラデエションの真ん中の色は白なんだと、教えてくれた友人を思い出しました。その色が黒くなっていくのを見つめながら歩きました。 色が変わるのはとてもゆっくりでした。人や定刻を待つよりも、長く感じました。今まで散々、眺められ、なぞられた夕暮れの空でしょうが、その色だけを見守り続けた
子供には優しく笑いかけられるなんていやらしい 適当な言葉で綴る悪口なんていやらしい 食べられる所だけを選んで食べるなんていやらしい 目覚まし時計を設定するなんていやらしい 生きているなんていやらしい