インド徒然日記 03/魅惑の飲み物カルー
「兄弟、出発するぞ!早く起きろ!」
ドンドンと木扉を叩く音とその声にびっくりし目を開けると、まだ外は真っ暗だが微かに朝の気配を感じた。
毎年訪れる南インドの某所。盃を交わしたわけではないがお互いを兄弟と呼ぶ友人のテイラーがいる。彼はものすごく腕が良く、洋服はもちろんのこと帽子や財布やバッグなど型紙もおこさず、なんでもミシン一つで作ってしまう。仕事も早い。ただ、仕事よりも人生を楽しむことに時間を費やしている。毎年滞在ついでに彼に洋服やら小物やらをオーダーしているがいつも帰国寸前