サブスクへの道①
はじまりは、ケーブルテレビで海外ドラマに映画をみることから始まりだった。
15年以上前くらいのお話だ。
それでも飽き足らず、ケーブルでは遅い海外ドラマの新作シリーズがリリースされる前の晩。
レンタル屋へと並ぶことしばしば。
(バカ正直に新作リリース日の朝一行っても、新作レンタル棚はカラ!
どういうことかと探っていると、
リリーズ前日の夜、店員がもうすでに並べているではないか!!
そして、それをすかさずレンタルする客の図。
ふざけるなっ、と心で叫びつつ前日に行くそんなおばさんである)
そんな攻防を15年続けた。
なぜ15年かというと、好きになったドラマが
「スーパーナチュラル」と「CSI:科学捜査班」
このドラマが15シーズン、15年続いたからだ。
15年見続けたのだ。
時代はVHSからDVD、ブルーレイに変わった。
レンタルすると、新作4本で1000円。
新シーズンになれば、4本で済むはずもない。
1本に2話ずつ。それが18話~20話。
つまり10本一気に借りることになる。
3千円弱を払い、2泊3日でみるのだ。
(1泊2日の時もある)
テレビの前にレンタル箱が積みあがる。
「何かの修行か!?」というほど。
テレビっ子で育ち「オタク」を自認しているおばさんは、ひたすらみる。
夜通しみる。
そんな生活を何年も続けた。
シリーズが終わり次のシリーズへ続くラストを迎えると見悶えする。
もう、終わってしまった…
先がない。そして…
ロスになるのだ。
新シリーズは来年まで待たないといけない。
それを毎シーズン続けるのだ。
ロスの間、ロスを埋めるだけの映画とドラマを探さねばならない。
「楽しみはゆっくり味わえばいいのに」という旦那。
は!?なぜ、2泊3日でみるのかわかっていないな。
これ以上レンタルすれば、バカでかい延滞金を払うんだぞ、ジジー。
それにCMも入ってないからサクサクみれるのもある。
(どうしても、の時は延滞金払ってでもみるが)
一話みてから「で、次は?次は?」でストーリーがどんどん進む。
手に汗握る。それから、それからって次から次に進める。
気になって仕方ないだろ。
一度布団に入って続きが気になり過ぎて、またゴソゴソと起きだし続きをみることもしばしば。
翌日のおばさんは、もうヒドイもんである。
これがまさに、今でいう「沼る」という体現だろう。
それは、まさに世の中が得体のしれないウィルスから身を守るため
映画館にもレンタル屋にも行けなくなった頃。
とうとう
「サブスク」なるものが登場した。
最初のサブスクは「パラビ」
レンタル屋へも行けるようになり、サブスクとレンタルの二刀流。
それが「ユーネクスト」と統合し、日本最大のサブスクの誕生。
家で見放題になった。
最初はパソコンでみる。
しかし、画面の大きさに不満がつのる。
そこで、「クロームキャスト」の登場だ。
パソコン画面をテレビ画面と共有するシステムだ。
旦那が帰ってきてテレビの争奪戦になることもない。
今度は布団の中からパソコンでみる。
「あ~なんて幸せな生活だろう」
と、寝落ちしてストーリーが先に進んでもまた、何度でも見かえせる。
しかし、そんなある日。
ユーネクストにない動画がある。ドラマがある。映画がある。
日本最大だからと待っている。待っている…
待っている…?
待てど暮らせどユーネクストでの配信は絶望的な状況になった。
おばさんは決断した。