ハロウィンといえば、擬態。 【死体】 目の前に写るモノに、脳みそが混乱する。これはなんだろう。僕は何を見ているのだろう。どうして、目の前で好きな人が倒れているのだろう。 それも、ぎたぎたのぐっちゃぐちゃで辛うじて顔がはっきり見えるくらいしか残っていない好きな人が。 誰がどう見ても、死んでいる。偶然、通りかかっただけ。そしたら、"あって"……。 混乱している。何がどうなったらこんな死体になるんだ。訳が分からない。 指定の黒いセーラー服。同じ様に黒く、
一人の人間の独白もしくは告白 生まれつき、感情が欠落していた。あぁ、いや、「喜怒哀楽」は人並みにはあった。なんなら、共感能力の高さと感受性の強さで自分の事以外でも、笑えるし怒れるし泣けるし祝う事が出来る。模範的な「人間」だ。…だけども、どうにも「嫌悪」及びそれにまつわるあらゆる負の感情を持つ事が出来なかった。正確には、「嫌い」と思ってもそれが長続きしない。その「嫌い」も幼子が学んだばかりの言葉を使って、自分の感情を表すのと同じ感覚だ。要は、ラベリングが出来ない感情をそう
思い込みと寂しさ 寂しい。心の中にそれが巣食う。寂しくて寂しくて堪らない。狭い部屋の大部分を占めるベッドに寝転がる訳でもなく、ベッドの足元辺りに腰掛けている。寝転がっても良かった。けれど、その動作を行う事がなんでか出来なくて、したら何かがダメになりそうで。出来なかった。渇く喉にお風呂前に水分を摂ったきりな事を思い出す。寝転がる事も出来ない状況で歩いて水分を摂るなんてそんな事出来る訳がない。…いや、本当は出来るのかもしれない。そう、思い込んでるだけかもしれない。思い込み
悪友へ 頼まれていた小説を書き上げた。簡単なものですまないが、この手紙に同封したので是非読んで欲しい。 想いを込めて 物書きの友人…というよりやんちゃ仲間から届いた手紙をまじまじと読む。簡易的に用件だけ書いてある文章はあいつらしくて少しばかり笑いが出て来る。そして、書かれている内容に更に笑いを深める。…ちょっと前に、こんなのが読んでみたい、と軽い気持ちで依頼したコズミックホラー。時間かかるかも〜とは言われたものの、思ったより早く届いたそれ