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みすゞの詩と植物スケッチ vol.26〜28

26「げんげ」(金子みすゞ)/ヒメシオン

 小さい頃は、川のそばにある棚田をグランドにして野球を近くの子たちとよくやっていました。山間にある狭い田ばかりだったので、2つ段違いの田を使ってする野球はおもしろかったです。下の田が内野で上の田が外野、その上まで飛ぶとホームラン。懐かしいなあと思います。その頃はげんげがマットの役割で転んでも痛くなかった記憶があります。その後、田植えが早くなり、そんな楽しい遊びも出来なくなりました。整備されたグランドや公園もすてきですが、自然を子どもなりの工夫で遊んでいた時代もいいなあと思います。

 名前が似ていてよく混同されるヒメジョオンは帰化植物で全く別のもの。 ふだん野山で見かけるのはヒメジョオン。春から秋深くまでいつでも見られる生命力のある植物として知られています。
 でも、ここに紹介したヒメシオンは湿った草地や川岸にややまれに生える多年草です。

ヒメシオン
ヒけがらメジョオン

27「つばめ」(金子みすゞ)/ヤブガラシ 

 実家の軒先にはつばめの巣がありました。小さいころからずっと、親ツバメが交代でせっせとエサを運び、ヒナが巣立つことになってやっと顔を見せてくれていました。その景色を見ることで、春から初夏の若葉の季節と重なり、季節の移り変わりを実感させてくれました。
 あれから30年が過ぎました。週末にだけ帰る実家の軒下には巣はそのまま残されていますが、つばめはやってきません。1mもある蛇の抜け殻がぶら下がって以来、つばめの姿はありません。苦難を乗り越えてどこかに新しい巣を掛けて無事に暮らしていてほしいと願うばかりでした。

 最近、繁殖力旺盛なヤブガラシが林縁から休耕田にまで繁殖範囲尾を広げているように見えます。地面に這いつくばって生きているために、早い段階ではヤブガラシが休耕田を占有して、あのどこにでも広がり続けるクズの浸食を抑えている場所があります。このあとどうなるのか。科学的な見地から山の草刈りをするたびに観察対象となっています。

28「冬の星」(金子みすゞ)/ゲンノショウコ

 ゲンノショウコの赤ピンク色の花は目立ちます。小さい花にもかかわらずに、広い山への小道の雑草の中にキラッと光るように赤ピンク色が見つかります。赤でもなく、ピンクでもなく、キラッと光る赤ピンク色の花です。
 ゲンノショウコは薬草としても有名ですが、困っている人に見つけてもらうためにそんな花の色をしているのでしょうか?

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ヒメジョオン


★「みすゞの詩と植物スケッチ」は【マガジン「金子みすゞさんの詩と草花スケッチさんぽ道 500への一歩」】にまとめています。




 

 

 



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