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みすゞの詩と植物スケッチ vol.23〜25
23「極楽寺」(金子みすゞ)/キュウリグサ
キュウリグサはとても小さくてかわいい雑草です。花の薄藍色は、なぜかとっても目立ちます。葉っぱを揉むときゅうりの香りが似ていると言われますが、僕はあまりそう思った事はないです。もしかしたら昔のきゅうりは今の頃とは違ってもっと野性的で香りも強かったのかもしれません。
葬場や墓地の周囲は桜などの花の名所となってところもよくあるように思います。人との別れは辛いものですが、関わった人を集める場となっているようにも思えます。最近結婚式なるものに出席する機会はほんとに少なくなりましたが、通夜や葬儀は続けざまにやってきます。その都度、ずっと会っていなかった人たちと故人の思い出話や近況報告で寂しいはずの集いがにぎやかで和む場にとなることもしばしばです。
花見で賑わい、使いの子を振り返らせ、極楽寺の八重桜もそんな意味をもっているのでしょうか。
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24「 木 」(金子みすゞ)/ネムノキ
小さいころネムノキとオジギソウが区別できなくて、似たようなこの木の葉に触ってもなかなか閉じないなあと思っていたことがありました。フワフワのピンク色の綿毛のような花のポンポンを子ども達に見せようとするのですが、水につけてもすぐにしおれてしまいます。自然のものは自然のままで見るのがいいのかなあと思う植物もたくさんいるようです。そんな時は、一生懸命に生きて花を咲かせている植物に申し訳ないという気持ちになるものです。
このみすゞさんの「 木 」という詩を眺めていると、人生の終わり方を思うことがあります。施設に入所している母が、「もう逝ってもいいかいね。」と面会の時にポツンと言ったことがありました。連れ合いの父が先立って20年が過ぎています。長生きしてほしいという言葉を掛けながらも、もう十分生きてこられたから、ゆっくりしてほしいという気持ちにもなります。でも、やっぱりまだ笑顔でいれる今は、長生きしてほしいと願っています。
25「ざくろ」(金子みすゞ)/ススキ
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近所を散歩すると大きなザクロの実がなっているすてきな場所を見つけました。このイラストはそんなザクロと下に見えるツワブキの会話をこのみすゞさんの詩を思い起こしながら描きました。
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★「みすゞの詩と植物スケッチ」は【マガジン「金子みすゞさんの詩と草花スケッチさんぽ道 500への一歩」】にまとめて集録されています。