木曜深夜に鯛めしを作ったはなし
その日は久しぶりに18時30分で仕事が終わった。
最近はこの時間に終わることはなかったので、自分の時間ができたと思い、コートを羽織って外に出た。木曜日の夜、時間があれば向かうのは、家から徒歩3分の日本茶屋さん。美味しい緑茶を入れてもらって、店員さんとその場にいたお客さんとおしゃべりしながら過ごす、癒しの時間。
1時間ちょっと滞在した後に、夕食を作るためにスーパーに寄った。
最近は、土井善晴さんが一汁一菜で良いと言っていることから、買うものは決まって野菜と味噌汁の具材だった。その日は時間があったからなのか、おかずも作ろうと思って色々みながら考えてたところ、お魚コーナーで見つけたのが、これ
...えぇぇぇぇ!!!鯛一匹が297円!?
刺身でお作りしたものが397円だったのに、一匹が297円なの?お魚の価格市場をよく知らないのだけれど、297円なら買いだ。しかも、以前から鯛めしを作りたいと思っていたので、このタイミングしかない!とカミナリが落ちたかのように、「今日は鯛めしを作る」と即断した。
昔からやりたいと思った瞬間に、それをやらずにはいられない性格だし、やったことがないことでもやろうと思えばできる、という妙に自信過剰な性格でもある。
そしてスーパーから家に帰ってきて、お米を研いで取り出したのが土鍋。
炊飯ジャーもあるけど、姉からおすすめされたこの土鍋で、炊いたご飯を食べて以来、平日であろうと土鍋で炊くのがこだわり。
めんどくさいように見えるけど、火をかけて大体10分くらいで湯気が出てくるので、タイミングを見て火を止めたら20分くらい待てば完成。
一日のうち、一食はお米を食べたいので、食べない分は冷凍庫に保存しておけば、毎日やる必要もないし。
その時点で21:30。まぁ遅すぎではない時間だろう。
早速買ってきた鯛を取り出す。
...ん?なんか鱗があるんだけど?
いや、魚なんだから鱗があるのは知っているんだけど、スーパーで売っているものって、鱗はとってくれているものだと思ってた。買ってきたものをそのままポイって土鍋に入れる想定していたから、まさかの展開。
鱗だったら包丁でささっと取れると思っていたけど、鯛めしの作り方を知らないからネットで調べた。
※ネットで調べるためにPCを開くと、必要じゃないものまで見てしまうので(おさかな天国の音源聴いたりとか、秦基博の鱗のPV見たりとかしてて)結局、調べるのに1時間くらいかかった。
そして、見つけたレシピがこれ。
おぉ!なんか美味しそうだし、簡単そう!栗原はるみさんという方も聞いたことある!
...おぉ?内臓も取るの?
ここでようやく、鯛めし作るために鯛の下処理が必要だということがわかった。ただ、一度入ったスイッチはきれないので(まぁ一匹買っちゃったし)下処理のための動画を探した。
下処理の仕方がわからなくても、調べればたくさん出てくるので、今は本当にいい時代。
鱗とりに取り掛かったのが22:45。
いきなり包丁だとうまく取れないし、動画の鱗とるための道具は持ってないので、ピーラーで代用してやったけど、結構いける。とれる鱗があちこちに飛ぶので、あと片付け大変だなと思いながら、気持ちよく鱗をとり終えた姿がこちら。
お〜♪鱗のように〜♪身にまとった〜♪ものは捨てて〜♪
鱗とるのも結構手間かかったので、もうこの時点でやり終わった感もあったけど、ここから包丁の刃を入れて内臓を取り出さねばならない。死んだ魚といえど、初めてお腹を切って、素手で内臓をかき出した時に、命あったものを食す感謝の気持ちが芽生えてきたよ。(まぁもうこの時、11:20くらいだったから。)
初めて捌いたから切り口は雑で、切っている箇所は動画で見た通りなのかどうかわからなかったけど、なんとかできた。ここまでこればあとは土鍋に入れて火にかけるだけだ!
ここまできたのだからレシピ通りにやりたかったのに、焼き網がないのでフライパンにオリーブオイルをひいて鯛を軽く焼いた。その時はいいアイディアだと思ったけど、後々、オリーブオイルがご飯に混ざるのはよかったんだろうか?と疑問に思ったが、まぁ美味しかったら問題はない。
火にかけて、鯛が入っている分、普段よりも湯気が出るまでに時間がかかる。湯気を出てきたところでタイミング見て火を消して20分くらい待った。
そして深夜12:00。ようやく鯛めしができた。
うぉぉぉぉ!!!!美味しそう!!!
蓋を開けた瞬間、沸きたった湯気から香る鯛めしの香りがすごく良く、時間帯を忘れて食欲そそられた。また、スーパーで鯛を見た時に想像した鯛めしが、目の前に想像を超えた姿で出来上がったのにも感動。やっぱり、やればできる子だった。
身も柔らかく、骨もとりやすかったので、食べる分だけお椀によそって、いざ食べてみると、
美味しい!!!
さすが、栗原はるみさんのレシピだわ!(そこまで知らんかったのに)
Delish Kitchenで鯛の下処理を上げてくれた方もありがとう!
そもそもお店でも食べたことがあるかどうか記憶にない鯛めしを、自分で本当に作れてしまったという達成感もあり、めでたい一日となった。
木曜深夜という翌日も仕事ある状況で、鯛一匹と恋に落ちたかのような、鯛めし衝動にかられて作ったことは、なかなかない思い出になったんじゃないかな。
翌日は冷凍保存してあった鯛めしをレンジで温めて、青ネギ、海苔、ごまをのせて、お湯にほんだしを溶かした出汁をかけて鯛めし茶漬けでいただいた。
こっちもめちゃくちゃ美味しかった!!!
一度作ると手順はわかるし、ここをこうしたらもっとよかったとか、これを足したら違う味になるんじゃないかと想像できて、また作りたいなと思えたから、作ってみてよかった。今回は自分しか食べてないけど、見栄えもいいし、人様に出しても喜ばれると思うので、次回は食べてもらう機会を作って、おもてなしをしようかな。
まぁ、鯛を297円で売ってるスーパーが一番すごい。