45年前に出会った思い出の曲|Eagles - Hotel California

確か・・・小学6年と中学1年の2つの「夏休み」に、窓の外からこの曲が流れて来ていたのを思い出した。微かな音ではなく「爆音」だった。ドラムのバスとベースのリズムが窓を奮わせるほど。エアコンで閉め切った部屋にも十分過ぎるほどの迫力で響き届いた。
もちろん、誰が歌う何という曲なのかも知らなかった。何故なら当時はKISSに無我夢中だったからだ。しかし、余りにも繊細でドラマチックな展開の旋律に耳を澄ましていたのは間違いなかった。
音楽を愉しんでいたのは、(これも確か・・・)3つか4つ上の先輩にあたるお兄さんだ。面と向かって会話した記憶はないが、遠目で眺める姿はスラッと背が高く、優しく物静かな印象だった。
社会人1年生の頃(ちょうど祖父が癌で旅立ち、我が家に久々の会話が戻った時)に噂話しとして耳に入った。某ヨットスクールで命を落としたらしいと。
正確な原因を知る余地はないが、事故とも自死とも云われた。
専門学校に上がってから、バンド仲間にこの話しをしたことがある。その時、「Hotel California」を逆回転で再生すると「悪魔の囁き」が聞こえるらしいと、気持ち悪い話題を持ち出す仲間がいたが、誰も試してみる者はいなかった。
「歪んだ心」を持つこの私でさえも、「正回転」の「美」を尊重したのだ。
それから随分と後となったが、激しいハードロックに狂いながらも、この曲に向き合って一生懸命にコピーした。イントロのアルペジオであの夏の日を思い出し、ギターソロの段階で無性に泣きたい衝動に駆られた。
この歳になった今でも、「命」に関するメッセージに触れた時に、この曲が頭の何処かで鳴り響いている。

今もまさしく「その時」だ。

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